P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

「ゴールド 金塊の行方」(ちょいネタばれあり)

映画『ゴールド/金塊の行方』予告編 予告編のサムネイル画像(とは呼ばないのか?)でマシュー・マコノヒーが半ハゲづらを晒してますが、劇中では更に恥ずかしい、映画「J・エドガー」のディカプリオまであと少しなメタボブリーフ姿まで晒しています。話は8…

嫌な気分ってやつを思いだした...「海外SFハンドブック」

積読本を消化しようと、2年前に買って以来放置していたこの本に手を出してみました。 www.hayakawa-online.co.jp 早川書房の説明によると、 クラーク、ディックからイーガン、チャン、『火星の人』、SF文庫2000番のレム『ソラリス』まで! 巨匠の作品から…

「誤解するカド」、あるいは「誤解する」んじゃなくて「誤解させている」アンソロジーの事

大森望さんと、現在(2017年5月)放送中のSFアニメ「正解するカド」の脚本を書かれている作家野崎まどさん共同の「ファーストコンタクト」テーマアンソロジー、「誤解するカド」を(だいたい)読みました。 www.hayakawa-online.co.jp和洋合わせて10篇収録で…

「ザ・コンサルタント」 「ローグ・ワン」

「ザ・コンサルタント」と[ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリ」をMovixさいたまで鑑賞。 映画『ザ・コンサルタント』予告編 ベン・アフレックが裏の顔を持つ自閉症の会計士を演じるアクション映画。随分と奇妙な映画ではあるのだけど、面白かったです…

「ゴッド・ガン」

日本SFにはいくつもの素晴らしい「タイトル」がありますが、その幾多のタイトルの中でも燦然と輝くタイトル「神狩り」は、山田正紀によるタイトル通り「神」を狩り殺そうとする人間たちの話であり、日本SF史に残るような素晴らしい書き出しから始まる作品で…

俺モラリストvs小悪党達の嫌な闘い: 「ドント・ブリーズ」

映画館の素晴らしいところはなにか?円盤レンタルはもちろん、配信が充実してきている今、わざわざ交通に時間とお金を費やした上で、2時間くらい特定の場所に閉じ込められにいくのはなぜなのか?まずは大きいスクリーンに大音量、さらには最近は4DXなど劇場…

「伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ」

伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ (ハヤカワ文庫SF)作者: ルイス・パジェット,レイモンド・F・ジョーンズ,フレデリック・ポール,ヘンリー・カットナー,フリッツ・ライバー,デイヴィッド・I・マッスン,ジョン・ブラナー,高橋良平,網中いづる,伊藤典…

アメリカ政党政治のダイナミクス:Asymmetric Politics

アメリカの二大政党、民主党と共和党の間の違いはなんなのか?勿論、民主党はリベラルで共和党は保守なのが重要な違いなのですが、その点を除くとあたかも両政党が同じかあるいは鏡像であるかのように扱われる事がよくあります。政治経済学の伝統的な中位投…

ハーラン・エリスン 「死の鳥」

帯の文句が「華麗なるSF界のレジェンド、再臨!」とあるハーラン・エリスンの日本オリジナル短編集。死の鳥 (ハヤカワ文庫SF)作者: ハーラン・エリスン,伊藤典夫出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/08/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見…

トランプノミクスは改革派保守の悪の双子

最近、翻訳はやらないのですが、ニューヨーク・タイムズの保守派コラムニスト、ロス・ドーサットのコラムを読んでたらなんか、「辛いなのだな、ジオンも」と思ったのでなんとなく訳してみた次第。 追記:訳中の「ドナークラス」とは、大口献金者、つまり共和…

「Love Trip」MVについて

AKB48の2016年夏曲"Love Trip"のMVがフルで公開されています。このMV、良いです。この曲は日本テレビの「時をかける少女」の主題歌であり、そのアニソンっぽい曲調自体結構好きでしたが、テレビでの初見時にそのダンスでもって更に気に入りました*1。そして…

「葛城事件」 

映画『葛城事件』予告編独善的・抑圧的な父親、自分の夫への嫌悪を隠して生きてきた弱気な母親、真面目ではあるが積極性に欠ける兄、通り魔連続殺傷事件を起こして死刑判決を受けた次男の一家と、その一家が崩壊後に死刑反対の思想のゆえに獄中結婚をしたと…

「消えたヤルタ密約緊急電」

消えたヤルタ密約緊急電―情報士官・小野寺信の孤独な戦い (新潮選書)作者: 岡部伸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (13件) を見る本屋の棚に積まれていたのが目についたので読んでみまし…

ドナルド・トランプ、ローリング・ストーンズ:世界は無情であり、望みが叶う事はない...はず

トランプその副大統領候補としてインディアナ州のマーク・ペンス知事を選び全米へ向けて紹介しました。www3.nhk.or.jpこのNHKの記事を読む限り、この紹介は大統領選の中でのごくありきたりの政治イベントの一つであった様に読めますが、エズラ・クレインのこ…

「ヒメアノ~ル」

前にも書きましたが、この映画を観て改めて思いました:日本映画面白いですよ!事前情報はあまり無しに、古谷実原作というのとこのポスターの「めんどくさいから殺していい?」というキャッチコピーだけで、イヤ~な作品なんだろうなというイメージを持って…

テキサスは合衆国から脱退するか?(どうせしないけど)

史郎正宗原作の攻殻機動隊のシリーズにおいて、アメリカ合衆国は東西海岸諸州の米ロ連合、テキサスを含む南部諸州からなるアメリカ帝国、そしてその残りの地域からなるアメリカ合衆国の三つに分裂します。そもそも19世紀アメリカの南北戦争は奴隷問題をもと…

「アイ・アム・ア・ヒーロー」と「太陽」、あるいは邦画、面白いって!

しばらく前に、海外で日本映画を配給しているイギリス人の方による 「日本映画のレベルは本当に低い。最近すごく嫌いになってきたよ!」 という発言がちょっと話題になってました。 www.sankei.com 最近の日本映画がつまらないので面白い邦画のプロデュース…

民主党予備選モデルの予測の結果

前回の記事に書いた民主党予備選モデルで予測されていた5州の予備選の結果がでましたので追記しておきます。 ニューヨークタイムズによりますと、モデルの予想通りヒラリー・クリントンがロードアイランド州以外の4州で勝利し、各州での彼女の得票率は以下の…

アメリカ民主党予備選モデルと、早いこと終わってくれという事

クルーグマンのブログ記事で、政治学者のAlan Abramowitzによる民主党予備選のモデルが紹介されていました。 これはヒラリー・クリントンの民主党予備選での得票率を、民主党員の比率、アフリカ系アメリカ人の比率、そして南部州かどうかの3変数で回帰したも…

金まみれの共和党は脱減税の夢を見れるか?

トランプの躍進についてアメリカは勿論、日本でも心配する意見がありますが*1、現代アメリカの代表的なリベラル言論人の1人になっているポール・クルーグマンがニューヨーク・タイムズのコラムで心配するどころか逆にこのトランプの躍進を歓迎すべきとまで書…

(共和党の)天下分け目の戦い:フロリダ予備選

日本時間の3月9日現在、共和党の大統領選指名争いでまだ残っている4人の獲得代議員数は トランプ 458 クルーズ 359 ルビオ 151 ケーシック 54 となっています。トランプがリードしていますが、トランプ大統領の可能性が取り沙汰されて騒がしいわりには、共和…

「白鯨との闘い」と「ブラック・スキャンダル」

ちょっとわけあって時間ができたので以前から気になっていた二本の映画を観てきました。 一本目は、予告編を観て怪獣モノなのか?とワクテカしてたのに実は怪獣モノじゃなかった「白鯨との闘い」です。 『白鯨との闘い』予告 監督ロン・ハワードで、主演がク…

ネットリンチは「不道徳」「不正義」と呼ばれるべきではないのか?

炎上と呼ばれるネットリンチが悪いものであり、批判されるべきだということについては同意なんですが... bylines.news.yahoo.co.jp なんで「道徳自警団」なんでしょうか? 法律を勉強したのは学部の時にとった「経済法」の講義くらいですし、更にその講義の…

共和党:アニメでオナってる子無し独身男なんざ、人類にとって無価値!

かっけえ!(笑) Rick Wilson MSNBC Trump's Fans Are Childless Single Men Who Masturbate to Animeタイトルにあるような、一昔前の日本のネット界ならすぐさま炎上しそうな事を共和党のストラテジスト*1の方がアメリカのテレビ局MSNBCの"All In with Chr…

13 Hours: マイケル・ベイのベンガジ映画

13 Hours: The Secret Soldiers of Benghazi - Trailer #2 Green Band (2016) - Paramount Picturesアメリカで1月15日から公開されたマイケル・ベイの映画です。ドッカン・バッカンの銃撃と爆発はいかにもベイって感じですが、一つベイっぽくないのがこれが…

金持ちですらアメリカ大統領選を買えるわけではない:あるいはチャールズ・コークの牡蠣ではなくて悲しみでいっぱいのインタビュー

政治家が金持ちに取りいって貧乏人に目を向けないなんてのは昔からの批判ですが、経済格差の拡大が取り沙汰される昨今、それは更にリアリティを増しているようにも思えます。政治が金で買われているという批判なり不満は、アメリカにおいて金持ち政党の共和…

「完全なるチェックメイト」と「ストレイト・アウタ・コンプトン」

トビー・マグワイアには童貞がよく似合う by okemos トビー・マグワイア主演 映画『完全なるチェックメイト』予告編75年生まれで、既に結婚もして子供もいるトビー・マグワイアが童貞なわけはないのですが、歪みまくってる童貞の役*1がピッタリなトビー・マ…

ドナルド・トランプ:4兆ドルの人類への大惨事

アイオワでの共和党予備選のある2月1日までもう一ヶ月半ほどになってしまいましたが、トランプは今だに共和党員の中で人気です。 (12月18日のRealClearPoliticsの2016 Republican Presidential Nomination)

デーモン・ナイト:In Search of Wonder

SF作家・批評家のデーモン・ナイトによるSF批評やエッセイをまとめた本の第三版(1996年)をキンドル化したものです(、多分)。In Search of Wonder: Essays on Modern Science Fiction (English Edition)作者: Damon Knight出版社/メーカー: Gateway発売日: 2…

「神曲ができるまで」

井上ヨシマサというとAKB48グループの色々な曲の作・編曲を手掛けている作曲家さんですが、実は80年代から活躍していた方だったそうです。この本はその自伝です。神曲ができるまで作者: 井上ヨシマサ出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2015/08/21メディア: 新…

なぜドナルド・トランプは人気なのか?

ドナルド・トランプについてのとある記事を読みまして、下の様なブクマツイートをしました。トランプ人気の理由は、トランプが反移民・親社会保障という、民主・共和両党の政治家が占めていないポジションを取っているからではないかという記事。特に共和党…

シリアルキラーはなぜ白人男性のイメージなのか?

一つ前のポストで、「シリアルキラーは白人男性(。・ω・。)ノ♡」というアメリカの神話は間違いだという受け売りをしました。高橋朱里とムカデ人間とシリアルキラー、あるいはガチ恋になりかけてる気がしてヤバい - P.E.S.okemos.hatenablog.com しかしこの神話は…

高橋朱里とムカデ人間とシリアルキラー、あるいはガチ恋になりかけてる気がしてヤバい

映画「ムカデ人間3」が8月22日(つまり今日)から公開されました。映画『ムカデ人間3』予告編 - YouTube

朝井リョウ 「武道館」

武道館作者: 朝井リョウ出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/04/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る今年の頭あたり*1にドルヲタ界隈でちょっと話題になり、春に買ってしばらく放置してた本です。ようやく読んでみたらどうにも違和感を…

"Rule Golden" (黄金律) デーモン・ナイト

デーモン・ナイトの1954年の傑作!だと思うのですが、残念ながらあまり有名ではない作品です。でも傑作なんですよ。 初読がいつだったか正確には思い出せませんが、とにかく90年代に古本屋で買ったSF戦争10のスタイル (講談社文庫)作者: ジョー・ホールドマ…

『前田敦子の映画手帖』

元AKB48のセンターで、いまは女優である前田敦子によるアエラでの映画の感想の連載をまとめた書籍です。前田敦子の映画手帖作者: 前田敦子出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2015/04/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るまっ、正直に言…

不平等の拡大と縮小: 先進国中産階級層の一人負け

新年あけましておめでとうございます。ここ数年、ろくに更新してませんが、本年はなんとか記事を書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。さて、ピケティ本の成功以来、所得・富の不平等についての議論が活発化しています。所得の不平等について…

「恐怖の作法 ホラー映画の技術」

Jホラー映画における「小中理論」の小中千昭さんによる新刊。恐怖の作法: ホラー映画の技術作者: 小中千昭出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/05/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る単に人が殺されるだけのショックはあっても怖…

「戦前日本SF映画創世記 ゴジラは何でできているか」

戦前日本SF映画創世記: ゴジラは何でできているか作者: 高槻真樹出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2014/03/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る戦後長く、現代へと続く漫画の歴史がいきなり手塚治虫から始まったかのような通説が支配…

愛の存在:渇き。、AKB、そしてテレクラキャノンボール

「大いなる力には、大いなる責任が伴う」 スパイダーマンの伯父さん先月の末、「渇き。」を鑑賞してきました。面白くてすぐにその感想を書こうと思ったのに、結局ズルズルとサボり続けてしまってたのです、一月近くたってからようやく何とか書けました。本来…

「Monsterz」と「超能力者」、あるいはなぜそこそこの映画をリメイクして改悪するのか?

こないだの映画の日に藤原竜也と山田孝之主演の「Monsterz」を観てきました。 映画『MONSTERZ モンスターズ』予告編 - YouTube これは韓国映画の「超能力者」のリメイクだそうです。この「超能力者」、公開時にその予告編を観て興味を持っていたのです。 映…

映画「サケボム」

新宿のシネマカリテの【カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション(カリコレ)2014】というのでかかっているのを鑑賞。酒造会社で働いている(というか一週間後に次期社長となる)日本人青年が、アメリカにいきなり帰国したかつての英語教師の女性に…

映画「ミスターGO!」

ゴリラが韓国プロ野球にやってきて、「ゴリラが投げて、ゴリラが打つ!世紀のゴリラ対決です!」(予告編より)というもので、いやぁまさに、ザ・ポップコーン映画、という作品でした。 映画『ミスターGO!』予告編 - YouTube 以前、ラジオ番組「伊集院光 深夜…

「くもりときどきミートボール 2」

2014年鑑賞一作目にして、去年の年末、TOHOで映画をまとめ観して貯めたマイルで手に入れたTOHOの1ヵ月フリーパスでの第一作目として、「くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密」を観てきました。 映画『くもりときどきミートボール2 フー…

死人に囲まれること:「キャプテン・フィリップス」 (ネタバレ)

もう公開されて結構たっているのでネタバレしてきます。2009年に起こったソマリア海賊によるアメリカの貨物船襲撃事件の顛末をもとにした映画です。 映画『キャプテン・フィリップス』予告編 - YouTubeソマリアというとリドリー・スコットの傑作「ブラック・…

伊坂幸太郎 「マリアビートル」 

Kindle版が安かったので買ってみた伊坂幸太郎「マリアビートル」の感想。マリアビートル (角川文庫)作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2013/10/09メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る

「悪の法則」

映画『悪の法則』予告編 - YouTubeこの映画ではマイケル・ファスベンダーが時折、横顔でその歯並びを見せてくれるのですが、その歯と歯茎が随分でかくて健康的というより威圧的な印象で、劇中、アーカードの旦那を思い出してしまいました。アーカードは吸血…

フィルバスターとは議事妨害と訳したり!

オバマ政権の2期目もすでに一年以上が経ちました。アメリカ大統領の2期目というと、必ず出てくるのが「レームダック」という言葉であり、大統領の指導力のなさが言われます。たとえばファイナンシャルタイムズのこの記事のように。特にオバマの場合、1期目の…

とある新作アニメ映画のストーリーネタバレ的感想

前に書くかもと書いたまどか☆マギカの新編じゃないです。日本の新作アニメ映画を観てきたのでその感想を書きたいのですが、どう書けばいいのか分かりません。絵は良いし、声優さん達の演技も良くて、まあ全体としても良かったのですが、でも感激したりするほ…

ガン=カタは偉大、あるいはかつては銃は早口であったということ

ようやくですが、「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語」を観てきました。絵と動きが素晴らしいし、愛と欲望のために救済をこの世から奪うという話も面白かったので、感想をそのうちに書くかもしれません。ただ、作品内容とは全然別に、劇中のガ…