P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

「筒井康隆 日本文学の大スタア」

日本SF第一世代の一人にして、現在では「日本文学」のスタアとなった筒井康隆を特集した本。 www.kawade.co.jp ぶっちゃけ、「日本文学」に寄るほど個人的な興味は薄れるわけだが、それでも完全に興味が無くなるところまでの「日本文学」にはならないのが筒…

Unhinged: トランプの補佐官だった黒人女性によるトランプ政権暴露本

ドナルド・トランプのリアリティショー The Apprentice の出演者としてトランプと関わりはじめ、トランプ陣営の一員として選挙にも関わり、トランプ政権で数少ない非白人男性の一人として大統領補佐官の一員ともなったアマロサ・マニゴールト・ニューマンに…

「トリフィド時代」、ゾンビ物として 

ふつう彼らはほかのグループと合流したがらず、かならずやって来るアメリカ人の到来を待つあいだ、手に入れられるものを手に入れ、避難所をできるだけ快適にしようとする傾向があった。 カーゴ・カルトか!人類社会の終わりを迎えた英国田園地帯にまだ生き延…

「スター・ウォーズはいかにして宇宙を征服したのか」

スター・ウォーズはいかにして宇宙を征服したのか作者: クリス・テイラー,児島修出版社/メーカー: パブラボ発売日: 2015/11/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るナバホ族のファンの熱意で初めてナバホ語に吹き替えられたスターウォーズEP.4…

「英語教師 夏目漱石」

www.shinchosha.co.jp 「坊っちゃん」「吾輩は猫である」等々、無教養なでもタイトルは一般常識として知っているレベルの作品*1を生み出した夏目漱石。その夏目漱石が英語教師をしていた事、イギリスへ留学していた(そしてどうやら英語が嫌いでイギリスが嫌…

『経済学者たちの日米開戦 秋丸機関「幻の報告書」の謎を解く』

www.shinchosha.co.jp開戦直前の日本において開戦後の予測がいくつか行われていた事はよく知られている。そしてそれらの結論が、短期的にはともかく中長期的には日本がアメリカに対抗できる事はない、長期戦となれば日本に勝ち目はないという事であったのも…

「怪奇礼賛」

19世紀から20世紀半ばまでのイギリスの怪奇小説アンソロジー。 www.tsogen.co.jp 古い怪奇小説となると読みづらい文章をつい想像してしまいますが、これはそんな事はなくてちょっと古風な感じが味になる程度です(読みやすいとは言いませんが)。全体通して…

ソヴィエト・ファンタスチカの歴史

「ソヴィエト・ファンタスティカの歴史」というタイトルを見て、何を想像するか? 頭の片隅にロシア語でファンタスティカはSFを含む幻想文学の意味という記憶がありましたので*1、私はソビエト時代のSF史なんだと理解しました。ソヴィエト・ファンタスチカの…

「ゴールド 金塊の行方」(ちょいネタばれあり)

映画『ゴールド/金塊の行方』予告編 予告編のサムネイル画像(とは呼ばないのか?)でマシュー・マコノヒーが半ハゲづらを晒してますが、劇中では更に恥ずかしい、映画「J・エドガー」のディカプリオまであと少しなメタボブリーフ姿まで晒しています。話は8…

嫌な気分ってやつを思いだした...「海外SFハンドブック」

積読本を消化しようと、2年前に買って以来放置していたこの本に手を出してみました。 www.hayakawa-online.co.jp 早川書房の説明によると、 クラーク、ディックからイーガン、チャン、『火星の人』、SF文庫2000番のレム『ソラリス』まで! 巨匠の作品から…

「誤解するカド」、あるいは「誤解する」んじゃなくて「誤解させている」アンソロジーの事

大森望さんと、現在(2017年5月)放送中のSFアニメ「正解するカド」の脚本を書かれている作家野崎まどさん共同の「ファーストコンタクト」テーマアンソロジー、「誤解するカド」を(だいたい)読みました。 www.hayakawa-online.co.jp和洋合わせて10篇収録で…

「ザ・コンサルタント」 「ローグ・ワン」

「ザ・コンサルタント」と[ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリ」をMovixさいたまで鑑賞。 映画『ザ・コンサルタント』予告編 ベン・アフレックが裏の顔を持つ自閉症の会計士を演じるアクション映画。随分と奇妙な映画ではあるのだけど、面白かったです…

「ゴッド・ガン」

日本SFにはいくつもの素晴らしい「タイトル」がありますが、その幾多のタイトルの中でも燦然と輝くタイトル「神狩り」は、山田正紀によるタイトル通り「神」を狩り殺そうとする人間たちの話であり、日本SF史に残るような素晴らしい書き出しから始まる作品で…

俺モラリストvs小悪党達の嫌な闘い: 「ドント・ブリーズ」

映画館の素晴らしいところはなにか?円盤レンタルはもちろん、配信が充実してきている今、わざわざ交通に時間とお金を費やした上で、2時間くらい特定の場所に閉じ込められにいくのはなぜなのか?まずは大きいスクリーンに大音量、さらには最近は4DXなど劇場…

「伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ」

伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ (ハヤカワ文庫SF)作者: ルイス・パジェット,レイモンド・F・ジョーンズ,フレデリック・ポール,ヘンリー・カットナー,フリッツ・ライバー,デイヴィッド・I・マッスン,ジョン・ブラナー,高橋良平,網中いづる,伊藤典…

アメリカ政党政治のダイナミクス:Asymmetric Politics

アメリカの二大政党、民主党と共和党の間の違いはなんなのか?勿論、民主党はリベラルで共和党は保守なのが重要な違いなのですが、その点を除くとあたかも両政党が同じかあるいは鏡像であるかのように扱われる事がよくあります。政治経済学の伝統的な中位投…

ハーラン・エリスン 「死の鳥」

帯の文句が「華麗なるSF界のレジェンド、再臨!」とあるハーラン・エリスンの日本オリジナル短編集。死の鳥 (ハヤカワ文庫SF)作者: ハーラン・エリスン,伊藤典夫出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/08/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見…

トランプノミクスは改革派保守の悪の双子

最近、翻訳はやらないのですが、ニューヨーク・タイムズの保守派コラムニスト、ロス・ドーサットのコラムを読んでたらなんか、「辛いなのだな、ジオンも」と思ったのでなんとなく訳してみた次第。 追記:訳中の「ドナークラス」とは、大口献金者、つまり共和…

「Love Trip」MVについて

AKB48の2016年夏曲"Love Trip"のMVがフルで公開されています。このMV、良いです。この曲は日本テレビの「時をかける少女」の主題歌であり、そのアニソンっぽい曲調自体結構好きでしたが、テレビでの初見時にそのダンスでもって更に気に入りました*1。そして…

「葛城事件」 

映画『葛城事件』予告編独善的・抑圧的な父親、自分の夫への嫌悪を隠して生きてきた弱気な母親、真面目ではあるが積極性に欠ける兄、通り魔連続殺傷事件を起こして死刑判決を受けた次男の一家と、その一家が崩壊後に死刑反対の思想のゆえに獄中結婚をしたと…

「消えたヤルタ密約緊急電」

消えたヤルタ密約緊急電―情報士官・小野寺信の孤独な戦い (新潮選書)作者: 岡部伸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (13件) を見る本屋の棚に積まれていたのが目についたので読んでみまし…

ドナルド・トランプ、ローリング・ストーンズ:世界は無情であり、望みが叶う事はない...はず

トランプその副大統領候補としてインディアナ州のマーク・ペンス知事を選び全米へ向けて紹介しました。www3.nhk.or.jpこのNHKの記事を読む限り、この紹介は大統領選の中でのごくありきたりの政治イベントの一つであった様に読めますが、エズラ・クレインのこ…

「ヒメアノ~ル」

前にも書きましたが、この映画を観て改めて思いました:日本映画面白いですよ!事前情報はあまり無しに、古谷実原作というのとこのポスターの「めんどくさいから殺していい?」というキャッチコピーだけで、イヤ~な作品なんだろうなというイメージを持って…

テキサスは合衆国から脱退するか?(どうせしないけど)

史郎正宗原作の攻殻機動隊のシリーズにおいて、アメリカ合衆国は東西海岸諸州の米ロ連合、テキサスを含む南部諸州からなるアメリカ帝国、そしてその残りの地域からなるアメリカ合衆国の三つに分裂します。そもそも19世紀アメリカの南北戦争は奴隷問題をもと…

「アイ・アム・ア・ヒーロー」と「太陽」、あるいは邦画、面白いって!

しばらく前に、海外で日本映画を配給しているイギリス人の方による 「日本映画のレベルは本当に低い。最近すごく嫌いになってきたよ!」 という発言がちょっと話題になってました。 www.sankei.com 最近の日本映画がつまらないので面白い邦画のプロデュース…

民主党予備選モデルの予測の結果

前回の記事に書いた民主党予備選モデルで予測されていた5州の予備選の結果がでましたので追記しておきます。 ニューヨークタイムズによりますと、モデルの予想通りヒラリー・クリントンがロードアイランド州以外の4州で勝利し、各州での彼女の得票率は以下の…

アメリカ民主党予備選モデルと、早いこと終わってくれという事

クルーグマンのブログ記事で、政治学者のAlan Abramowitzによる民主党予備選のモデルが紹介されていました。 これはヒラリー・クリントンの民主党予備選での得票率を、民主党員の比率、アフリカ系アメリカ人の比率、そして南部州かどうかの3変数で回帰したも…

金まみれの共和党は脱減税の夢を見れるか?

トランプの躍進についてアメリカは勿論、日本でも心配する意見がありますが*1、現代アメリカの代表的なリベラル言論人の1人になっているポール・クルーグマンがニューヨーク・タイムズのコラムで心配するどころか逆にこのトランプの躍進を歓迎すべきとまで書…

(共和党の)天下分け目の戦い:フロリダ予備選

日本時間の3月9日現在、共和党の大統領選指名争いでまだ残っている4人の獲得代議員数は トランプ 458 クルーズ 359 ルビオ 151 ケーシック 54 となっています。トランプがリードしていますが、トランプ大統領の可能性が取り沙汰されて騒がしいわりには、共和…

「白鯨との闘い」と「ブラック・スキャンダル」

ちょっとわけあって時間ができたので以前から気になっていた二本の映画を観てきました。 一本目は、予告編を観て怪獣モノなのか?とワクテカしてたのに実は怪獣モノじゃなかった「白鯨との闘い」です。 『白鯨との闘い』予告 監督ロン・ハワードで、主演がク…