P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

経済学

不平等の拡大と縮小: 先進国中産階級層の一人負け

新年あけましておめでとうございます。ここ数年、ろくに更新してませんが、本年はなんとか記事を書いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。さて、ピケティ本の成功以来、所得・富の不平等についての議論が活発化しています。所得の不平等について…

インフレ率を信用できるのか?とか、何とか...

CPIのような公式の物価指標は場当たり的な価格の式を利用して計算されたインフレの不完全な指標であって、経済学者が望むようなきちんと理論的な基礎に基づいたインフレ指標とは異なったものである。この論文はそういったCPIが「正しい」インフレについてど…

経済学者のためのSF

なぜだか最近、SF小説お勧めリストがはてなブックマークをにぎわしてます。 読んでいてもたいして良いことはないSF名作私選十作 - 脳髄にアイスピック読んでなくてもヤバくない名作?SF小説10選 - novtan別館読んでおくと良いかも知れない名作SF小説8選 -…

経済学者達も同意できる!(そう仮定すればな!)

(@emigrlさんからの指摘を受けて、注を修正) NPRの経済専門ブログPlanet Moneyが架空の大統領候補の為の経済政策として、左から右まで揃った5人の経済学者達全員が同意する5つの経済政策と1つの刑法の変更の合計6つをまとめて、放送しました。以下がその6…

日本の地震・津波のマクロ経済的影響

昨日のブログエントリーでも軽く触れたIlan Noyによる災害の経済学のまとめです。原発事故さえこれ以上悪化しなければ、日本経済の成長率についてのインパクトは長期的にはあまりない、という事になるのでしょうか。しかし、被災した現地への影響については…

日本と天災の経済学

経済学は内部に様々な分野を含む巨大な学問ですが、その中には災害の経済学(Economic of Disaster)があるそうです。英エコノミスト誌のブログでその簡単なまとめがありましたので、訳してみました。なおラストで触れられているEconbrowserの記事、明日にでも…

クルーグマン:メルトダウン経済学

東北地方太平洋沖地震発生から少し立ちましたが、皆様どのようにお過ごしでしょうか。 すいません、なにか間の抜けた事しか書けませんで。 正直、このブログなど小さなものなのですが、それでも読んでくださってた方は日本の各地にいらっしゃったし、今回の…

マクロ経済学の狂気 ポール・クルーグマン

ひさ〜しぶりになってしまいましたが、クルーグマンの翻訳です(実際は最近もいくつか翻訳してるんですが、道草にだけ載せてましたので。)内容は、そのタイトルがはっきりと示しているように、ここ数年続いているクルーグマンのマクロ経済学批判です。最初…

金融危機を予言する:ラジャン・インタビュー

2005年にアメリカの金融システムの金融危機の可能性が高まっていると指摘して批判を浴び、その後実際に金融危機が起こってから賞賛を浴びることになったラグハラム・ラジャンのフリークノミクス・ブログでのインタビューの翻訳を経済学関係翻訳サイトの「道…

主流派マクロ経済学の信仰喪失

Worthwhile Canadian InitiativeのNick Roweがマクロ経済学の現状について述べていました。とくに驚くようなものはありませんが、あまり長くないので訳してみます。それから、現在のブログデザインだとリンクの有り無しが見分けにくいので、はっきりlinkと書…

ケネス・ロゴフ:世界は一つの税に、一つの税は世界の為に? 

毎月1日は、映画の日で料金は1000円となります。なので3本の映画を観てきましたが*1、さすがにそういう事をすると結構、映画と映画の間で時間が空いてしまうので、翻訳で時間つぶしをしました*2。IMFが最近、金融機関への課税を提案したそうですが、訳し…

教育におけるインセンティブ、あるいは勉強ワイロ

アメリカのタイム誌に掲載された教育についての実験のレポートです。実験内容は、子供に勉強したら金やんぞ!と言ってみて、それでどれだけ学習するか見てみよう!というものです。さてここまで読んだだけで反射的に反感を持った人もいると思いますが、まあ…

認識論的閉じこもり・イン・マクロ経済学

クルーグマンの翻訳も久しぶりですが...って、違いますね。一つ前の翻訳もクルーグマンでした。ですがクルーグマンのブログ翻訳は久しぶりです。今回はクルーグマンがしばらく前まで何度も批判を書いていたマクロ経済学の現状、より正確には中西部の淡水…

世界の経済学研究大学ランキング

オランダのTilburge Universityが、2004年から2008年までの経済学研究への貢献に基づいた世界の経済学研究大学ランキング・トップ100を発表していました。やっぱり圧倒的にアメリカの大学が多いです。リンク先にはそれぞれの大学ごとにどのジャーナルにどれ…

ジャスティン・ウォルファーズ:GDPを庇護する

この間のキャロル・グラハムの幸福の経済学のコラムがサルコジ委員会について触れていましたが、今度はニューヨークタイムズのFreaknomicsブログでジャスティン・ウォルファーズがGDPは幸福の指標としてそんなに悪くないよ、というコラムを書いてました。バ…

クルーグマン:AEAでのレクチャー 「危機」

クルーグマンがアメリカ経済学会での年次例会でレクチャーを行ったそうです。一応、ノーベル賞レクチャーということで、ノーベル賞を受けた研究についてのものなんですが、ご本人がそちらのメインである貿易についての研究にはいまあまり興味がないようで、…

キャロル・グラハム:幸福の経済学

明けましておめでとうございます。もしよければ、今年もよろしくお願いします。さて、新年一つ目の翻訳ですが、実は昨年12月にマイケル・ムーアの「キャピタリズム」を観にいきました。まあ映画のテーマが暗いせいというのは置いておいても今一でしたが、そ…

Menzie Chinn:大不況後のマクロ経済学講義

Menzie Chinnはウィスコンシン大学マディソンの教授さんです。学部学生への中級マクロの講義の内容をどうするかについてのエントリーなんですが、やっぱりマクロの講義はミクロとは違って、経済の変化に応じてどんどん変わるのだなと興味深かったので訳しま…

Rajiv Sethi:需要と供給の部分均衡分析について  

一つ前で翻訳したRajiv Sethiのポストの続きの翻訳です。この賃金カットが雇用を増やすかどうかについての議論はまだ続きそうですね。ところでこのRajiv Sethiのポストの中でも強調されてますが、扱われている「賃金カット」とは一企業内だけのものではなく…

Rajiv Sethi:名目賃金伸縮性についてのいくつかのコメント

先のエントリーで引用されていたRajiv Sethiのエントリーです。 名目賃金伸縮性についてのいくつかのコメント Rajiv Sethi 2009年12月16日

クルーグマン:最低賃金−−疑問への回答

前のエントリーで述べた、最低賃金についてのクルーグマンのエントリーの続きです。最後に出てくるRajiv Sethiというのはコロンビア大学バーナード・カレッジの教授、最低賃金引下げは雇用を低下させるかもしれないよというブログのエントリを書いてます。 …

クルーグマン:最低賃金引下げは雇用を増やすか?

アメリカでは(日本にもありますが)、失業対策として最低賃金を引き下げろ、という声が高まっているそうです。それにたいしてクルーグマンが反論のブログエントリーを書きました。 一読いただければわかるように、全般的な賃金カットの問題はわかっても、こ…

Mark Thoma: 税制は累進的であるべきか? 

オレゴン大学のMark Thoma(ソーマ?トーマ?)のブログの翻訳です。ブログやコラムの翻訳って、タイトルと頭の所だけ読んで訳しはじめてみたらはずれだった、ってのがよくあるんですが、これは結構面白かった。重役報酬などで、報酬が生産性を反映している…

WSJ:サミュエルソンの思い出

ウォールストリート・ジャーナルのブログがサミュエルソンについての色々な経済学者の思い出を載せていました。池田先生が触れている、サミュエルソンがフリードマン以前に自然失業率の概念に気づいていたというアカロフの思い出話が載ったやつです。 (hima…

サミュエルソンが死んだ。

http://krugman.blogs.nytimes.com/2009/12/13/paul-samuelson-rip/クルーグマンのブログで知った。ショックだ。

クルーグマン:金融取引課税

えー、またクルーグマンのコラムの翻訳です。またしばらく時間の余裕ができそうですので、当分、SFと経済関係の翻訳を交互にやっていこうと思います。もっとも経済関係といっても、クルーグマンのコラムとかのそんなに専門的ではない、訳しやつものになりま…

クルーグマン:カーター政権の思い出 :

えーと、お久しぶりです。それからもしかしてアシモフの翻訳を期待してられる人がいらっしゃるのでしたら、すいません。そのうちにまた再開させていただきます。 で、今回なんですが、久々のクルーグマンのブログの翻訳です。いまクルーグマンは休暇中でブロ…

男女の違いと競争への選好、あるいは経済学者は少年ジャンプの読みすぎか?

本日のNPRのOn Pointは、 マッチョの終わりというテーマを取り扱っていました。不況による失業の影響はアメリカ(そしてヨーロッパあたりでも)男性に多く偏っているらしく、その事がアメリカでのマッチョの終わりにつながるのだという文章をForeign Policy…

ファウンデーションと経済学

最近また忙しくなりまして、I.Asimovの翻訳が全然できないのですがMarginal Revolutionでこんな記事をよんでしまったもので。 クルーグマンがアシモフのファウンデーションシリーズに影響を受けて経済学に興味をもったという話はこのブログでもなんども書き…

アマルティア・セン:危機をこえた資本主義

ニューヨークタイムズ・ブックレビュー2009年3月26日号に載ったセンのエッセイの翻訳です。特に驚きな内容でもないので、まあこんなもんかなとか思いながら訳していたら、ピグーが出てきたのでびっくり。本文中にもあるように、今はケインズ・リバイバルの時…