P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

経済学

アマルティア・セン:危機をこえた資本主義

ニューヨークタイムズ・ブックレビュー2009年3月26日号に載ったセンのエッセイの翻訳です。特に驚きな内容でもないので、まあこんなもんかなとか思いながら訳していたら、ピグーが出てきたのでびっくり。本文中にもあるように、今はケインズ・リバイバルの時…

クリスティーナ・ローマー:大恐慌からの教訓

オバマ政権の大統領経済諮問委員会(CEA)委員長で、元カリフォルニア大学バークレー校の経済学教授であるクリスティーナ・ローマー(この三本腕の人)がブルッキングス研究所で3月9日に大恐慌からの教訓について述べたそうです。そのペーパーがオンラインに公…

ありえんだろ、おい...

以前、経済学のチューターをしていた時、ハイパワードマネーと信用創造の話を教えるのが大変だったのだけど、それがさらに大変になってるらしい。貨幣乗数は1以下なのだという...MarginalRevolution テイラー・コーエン (他のブログからの引用)さて、君…

経済規模とGDPについて

追記あり。追・追記あり。コメント欄も参照してください。 来る予定だった仕事が来なくて時間が空いてしまったので...(どうなってるんだろう?) 弾小飼さんがGDPの事について質問されてましたので、この空いた時間を埋める為に使ってみる事にしました。…

コクラン、テイラー、ベッカー、バロウ

タイトルは、ジョン・ル・カレの作品のパロディーのつもりでした。すいません。でも、すべてはテイラーが悪いんです。 さて、池田先生がマンキューによる財政政策に懐疑的な経済学者のリストというのをご自身のブログに載せてられました。まあそれは保守派経…

クルーグマン:恒星系間貿易の理論

このブログのタイトルは、政治(Politics)、経済学(Economics)、そしてSF(Science Fiction)という、おれの興味のある分野のそれぞれの頭文字から取ってるのですが、残念ながらプロフィールにも書いたように、これまでSFについて書くことはあまりありませんで…

クルーグマン:流動性の罠のなかでの最適財政政策

明けましておめでとうございます!新年の元旦を皆様はどうお過ごしですか?おれは東京に出てきたたばかりでいく所もありませんから、朝から翻訳してました。とっても有益ですね!その前の大晦日の晩は、スコセッシュ/デニーロの「タクシードライバー」を観てま…

The Keynesian Comeback!!

ケインズの復活が取りざたされ、ケンジアンへの転向もいろいろと起こっているようですが...ついさっき、アメリカの公共ラジオ放送NPRの"On Point"という番組のサイトをあけたところ、今日の特集は「ケインズの復活」だそうです。ラジオの特集ネタがケイン…

The Return of the Depression Economics

前にも書きましたようにクルーグマンの新刊、The Return of Depression Economics and the Crisis of 2008についてのディスカッションがTPMCafeで始まりました。これはTPMCafeでの、政治経済系の本の内容について著者と何人かの討論者で議論しようというもの…

クルーグマン:実質残高効果(ウォンキッシュ)

ワンモア・クルーグマンです。1930年代のモデル(翻訳)で実質残高効果(ピグー効果)を無視した事についての質問が色々来ていたようで、それに答えてます。ただ、文中の数字は1930年代のアメリカのものでなく、現代のアメリカの数字、だと思います。それからタ…

コーエン:AD-ASモデルと垂直のAD曲線

クルーグマンの1930年代のモデル(翻訳)に対するタイラー・コーエンのコメントです。本人が言うように、モデルを余りにそのまま受け取りすぎている気がします。クルーグマンはモデルは理解の為のメタファーだと割り切ってますからね。AD-ASモデルと垂直のAD曲…

クルーグマン:さらに名目賃金について

マンキュ−のこれ(翻訳)を受けての、クルーグマンのポストです。まだ続きます。

ケネス・ロゴフ:インフレを受け入れよう

ケネス・ロゴフがイギリスのガーディアン紙に寄稿した、金融危機対策です。インフレを起せと言ってられます。まあ、それはいいのですが、起した後、行き過ぎてしまう可能性はどうするのかについての答えが...そんなに簡単なら、ヴォルカーのインフレ退治はな…

マンキュー:財政政策のパズル

昨日、予告してましたマンキューブログのポストです。急ぐな、己の無知を理解せよ、謙虚になれ、と説かれています。非常にごもっともなので、教授にはなにとぞその教えをケインズ理論がらみ以外でも適用していただきたいと思います。

クルーグマン:財政赤字と未来

クルーグマンのニューヨークタイムズのコラムです。これは明らかにこのマンキュ−のニューヨークタイムズへの寄稿(翻訳)を意識していると思います。

ニューディールと第2次世界大戦は財政刺激について何を教えてくれるか?

クルーグマンや他のリベラルが大規模な財政出動を主張し、オバマもある程度はそれに答えている中で、右の人達もそれへの対応を頑張ってられます。そしてこれまでも何度か訳してきましたが、それは今のところニューディールや第2次世界大戦によってアメリカは…

マンキュー教授からのクイズ

マンキュー教授から全世界のマクロ経済学講師へのプレゼントだそうです。クラスで学生にこれを訊いてみてくれとの事。というわけでマンキュー教授のお墨付きですから、答えられないような学生は落第にしましょう! マンキュー教授からのクイズ。 青い線は外国…

マンキュー:連銀はどうすべきか?

ここで予告していたマンキューのアメリカのデフレ対策についてのエントリーです。でも、結局...

経済学者に送るカード

マンキュー教授のところから。アメリカではいい事・悪い事、色々な人生のイベントを迎えた友人・知人にその状況にあったカード(葉書)を送ります。 「お悔やみ用カード」 「最近、自分の理論を覆されてしまった経済学者に送るカードって、ある?」

ロデリック:国際金融と経済成長

はーい、本日のダニー・ロデリック第2弾です。なにしろ下のエントリーと余りにもセットになってる内容だったので、続けて訳してしまいました。さて、では寝ます。

ロデリック:保護貿易と成長

ハーヴァードの国際貿易と開発経済学のダニー・ロデリックです。経済学の決まり文句を繰り返さない(自由貿易!政府の仕事は、所有権の維持とマクロ経済の安定!)が、といってつまらない資本主義・主流派経済学批判に堕さないダニー・ロデリックは面白いと思…

サミュエルソン:中道主義

シュピーゲルオンラインのノーベル賞受賞経済学者による金融危機コメント集第3弾、ポール・サミュエルソンです。サミュエルソンって、既にもう93なのだそうですね。まあ第2次世界大戦前から活躍しておられますから、それぐらいになるか。さらなるご長寿をお祈…

ゼルテン:金融市場の規制が重要だ 

シュピーゲルオンライン第2弾のラインハルト・ゼルテンです。金融市場の規制が必要だと語っておられます。うーん、現在の市場規制のあり方を批判する当たり前のコメントですね。ルーカスもそんな感じだったし、ほかのメンバーを見てみてもこっちだろうなぁ(ま…

ルーカス:まず不況対策を

The Economist's Viewにて、ドイツのシュピーゲルオンラインがノーベル経済学賞(いや、銀行賞でしたっけ?)受賞者による金融危機についてのコメントを載せていることが紹介されてました。たーしか、どっか別の雑誌でも同じような事をしてましたよね。メンバ…

臓器提供と健康保険

(追記あり) Freakonomicsのスティーブン・ダブナーがアメリカの臓器移植について触れています。、アメリカの臓器移植について、保険を持っていない人達が臓器を提供し、保険を持っている人達が移植を受けている現状が新たな研究からはっきりしたというもので…

ジェームズ・ハミルトン:フェド・ファンド市場の異常

(追記:"fed funds"を「フェッド・ファンド」と訳していましたが、これを「フェド・ファンド」に変更しました。こちらの方が締まりがいいし、あとグーグルによるとこちらの方が多く使われているようですので。) 以前にブラッド・デロングとニューディールの…

クルーグマン:流動性の罠の中のマクロ経済政策

はーい、またクルーグマンのブログからです。最近のクルーグマンはオバマ次期政権に積極的な経済政策をとれというアジテーションを積極的におこなってまして、これもその一つです(勿論、右の人らもいろいろやってますよ。これとかここで紹介されてるリンク先…

ギレルモ・カルボと資本移動規制

ハ−ヴァードのダニー・ロデリックさんが新しい資本移動規制への賛同者を見つけて、驚いてられました。資本移動管理への(驚きの?)改宗者 ダニー・ロデリック 2008年11月12日ギレルモ・カルボ(Guillermo Calvo)は国際金融に関してもっとも優秀で洞察に優…

Oh My プレスコット!

DeLong経由でPaNDaGONから*1。このブログで、そのブログ主がUCバークレイにて遺伝子学を専攻する院生のLeonid Teytelmanから受け取った、その院生とリアル・ビジネス・サイクルの泰斗エドーワード・C・プレスコットとのメールのやり取りを載せたメールというの…

ソクラテスは己の無知を知る、というわけではなかったと、とあるブログにはあった

"Coase and Hotelling: A Meeting of the Minds" Johannes Homer, Morton I. Kamien, Journal of Political Economy, 2004, vol.112, no.3, pp.718-723何しろ自分の専門が政治経済学なのでHotellingといえばMedian Voter Theoremだし、Coaseと言えば言うまで…