P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

SF

嫌な気分ってやつを思いだした...「海外SFハンドブック」

積読本を消化しようと、2年前に買って以来放置していたこの本に手を出してみました。 www.hayakawa-online.co.jp 早川書房の説明によると、 クラーク、ディックからイーガン、チャン、『火星の人』、SF文庫2000番のレム『ソラリス』まで! 巨匠の作品から…

「誤解するカド」、あるいは「誤解する」んじゃなくて「誤解させている」アンソロジーの事

大森望さんと、現在(2017年5月)放送中のSFアニメ「正解するカド」の脚本を書かれている作家野崎まどさん共同の「ファーストコンタクト」テーマアンソロジー、「誤解するカド」を(だいたい)読みました。 www.hayakawa-online.co.jp和洋合わせて10篇収録で…

「ゴッド・ガン」

日本SFにはいくつもの素晴らしい「タイトル」がありますが、その幾多のタイトルの中でも燦然と輝くタイトル「神狩り」は、山田正紀によるタイトル通り「神」を狩り殺そうとする人間たちの話であり、日本SF史に残るような素晴らしい書き出しから始まる作品で…

「伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ」

伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ (ハヤカワ文庫SF)作者: ルイス・パジェット,レイモンド・F・ジョーンズ,フレデリック・ポール,ヘンリー・カットナー,フリッツ・ライバー,デイヴィッド・I・マッスン,ジョン・ブラナー,高橋良平,網中いづる,伊藤典…

ハーラン・エリスン 「死の鳥」

帯の文句が「華麗なるSF界のレジェンド、再臨!」とあるハーラン・エリスンの日本オリジナル短編集。死の鳥 (ハヤカワ文庫SF)作者: ハーラン・エリスン,伊藤典夫出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/08/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見…

「アイ・アム・ア・ヒーロー」と「太陽」、あるいは邦画、面白いって!

しばらく前に、海外で日本映画を配給しているイギリス人の方による 「日本映画のレベルは本当に低い。最近すごく嫌いになってきたよ!」 という発言がちょっと話題になってました。 www.sankei.com 最近の日本映画がつまらないので面白い邦画のプロデュース…

デーモン・ナイト:In Search of Wonder

SF作家・批評家のデーモン・ナイトによるSF批評やエッセイをまとめた本の第三版(1996年)をキンドル化したものです(、多分)。In Search of Wonder: Essays on Modern Science Fiction (English Edition)作者: Damon Knight出版社/メーカー: Gateway発売日: 2…

"Rule Golden" (黄金律) デーモン・ナイト

デーモン・ナイトの1954年の傑作!だと思うのですが、残念ながらあまり有名ではない作品です。でも傑作なんですよ。 初読がいつだったか正確には思い出せませんが、とにかく90年代に古本屋で買ったSF戦争10のスタイル (講談社文庫)作者: ジョー・ホールドマ…

「エリジウム」「クロニクル」 社会と医療費と個人とSF、あるいはあまり映画評ではない感想

アメリカでは今(2013年10月6日現在)、オバマケアの存続を巡って連邦政府の一部閉鎖が起こっています。「オバマケア」とはオバマ大統領によって進められたアメリカでの国民皆保険を目指す医療保険改革で、特にAffordable Care Actと呼ばれる法律を指した言葉…

経済学者のためのSF

なぜだか最近、SF小説お勧めリストがはてなブックマークをにぎわしてます。 読んでいてもたいして良いことはないSF名作私選十作 - 脳髄にアイスピック読んでなくてもヤバくない名作?SF小説10選 - novtan別館読んでおくと良いかも知れない名作SF小説8選 -…

クルーグマン:アシモフ「ファウンデーション」シリーズへのイントロダクション

クルーグマンが新しくでるアシモフの「ファウンデーション」シリーズへイントロダクションを寄せたそうで、それを自身のブログで公表していました。でまあ、クルーグマンもアシモフ*1もどちらも著名人なんですが、だからといってその二乗のこのイントロが日…

どくしょかんそうぶん:「クトゥルフ神話への招待 遊星からの物体X」

「クトゥルフ神話への招待 遊星からの物体X」を読んだので、感想を書いとく。 ちょっと前の「這いよれ!ニャル子さん」によるプチ・クトゥルフ神話ブームを受けて出たのかな?と邪推。 ただラブクラフト御大の作品は一作だけ。 代わりに、頼るのにアニメ一…

ポール・クルーグマン:経済学者にしてSFファン

久しぶりにクルーグマンの記事を翻訳しました。クルーグマンのネット上での翻訳はoptical Frogさん等々、うまい方が何人も訳されているので俺がやる意味はないと思っていたのですが、今回のは(ちょっとだけ)SF絡みなのでやっておくことにしました(そして…

ベスター:回想 5

長らくお待たせしましたが、って待っている人がいるのかどうか判りませんが、ベスターのエッセイ、My Affair with Science Fiction (redemolished掲載)の翻訳の5回目にして最終回です。一回目が8月3日にアップですから、これ一つ訳すのに4ヶ月かかってますね…

ベスター:回想 4

ちょっと間が空いてしまいましたが、ベスターの回想の4回目です。ついに話は「分解された男」と「虎よ、虎よ」に入ってきました。 今回の終わりの部分はかなり尻切れトンボです。正直、どうせ間も空いた事だし、もう少し時間もかかってもさらにキリの良いと…

ベスター:回想 3

ベスターのMy Affair with Science Fiction の翻訳、3回目です。今回あたりからどんどん話がSF関係になっていきます。まずは、ジョン・キャンベル!アシモフだと、なかなか話してくれないたぐいの側面です。追記:kuroseventeenさんのtwitterでのコメントを…

ベスター:回想 2

アルフレッド・ベスターの自伝的エッセイ"My Affair with Science Fiction"の翻訳の2回目です。今回は(ちょっと他のSF作家達にも触れますが)、ベスターのコミックブックの原作者時代の話がメインです。

ベスター:回想 1

アルフレッド・ベスターの短篇・エッセイ集"redemolished"というのがあるんですが、これにベスターが1975年に書いた自分のSF史の回想"My Affair with Science Fiction"が載っています。結構長文ですが、興味深いので訳してみる事にしました。ただし31ページ…

BoingBoing掲載のテッド・チャン・インタビューの、「族長の初夏」さんが翻訳された後の部分の翻訳です。主に彼の作品におけるAIについての話ですが、最後はAIではない異知性間についての話しになります(ってのは誤解させる書き方ですが、こう言ったほうが…

テッド・チャン・インタビュー 前編

ブログ「族長の初夏」さんがBoingBoingに載ったテッド・チャンのインタビューの一部を訳されてました。お、これはよい!と思い、残りの部分を訳することにしたんですが、そうするとまぁ...インタビュアーの方は全然知らないのですが、ニューエイジ(?)…

ハインライン:1941年第3回世界SF大会スピーチ (3)

ハインラインの1941年第3回世界SF大会でのゲスト・オブ・オナー・スピーチ翻訳の第3回目です。今回で終わりです。訳してみて改めて発見しましたけど、ハインラインはこの1941年の時点でJ.G.バラードが後に「内宇宙」に関して言うようなことをすでに言ってい…

ハインライン:1941年第3回世界SF大会スピーチ (2)

ふう、なんとかギリギリ約束したとおり、日曜日にアップする事が出来ました、と書いているうちに、12時を過ぎてしまった...もう月曜だよ。 できれば最後まで訳したかったんですが、後4ページ半ほど残ってしまいました。 なんとか近日中に仕上げます。 な…

ハインライン:1941年第3回世界SF大会スピーチ (1)

まあ、だれも興味ないかも知れませんが、だれも興味を持っていなくても私は持っていますので... アシモフと共にかつてSFビッグ3と言われたロバート・A・ハインライン*1は1988年に亡くなりましたが、彼の追悼としてハインラインの珍しい短編と、スピーチ、…

我はアシモフ:29.シオドア・スタージョン

というわけで、今日2本目の「我はアシモフ」、スタージョンの巻、です。 29.シオドア・スタージョン

我はアシモフ:27.ジャック・ウィリアムスン

実はあんまり読まない事も多いまま、早川へのお布施として帰国以来毎号買っているSFマガジンですが、その2010年1月号は馴染みのある作家さん達*1が一杯載っていて楽しいです。まだ実は全部は読んでないんですが、読んだなかでスタージョンとコニー・ウィリス…

我はアシモフ:24.ロバート・アンスン・ハインライン

こんばんわ。水をかけたらマザーボードが壊れたThinkpad X40のLCDと、安く売られていたX41のマザーを組み合わせて、指紋読み取りセンサーがついているのにLCD下にはX40と刻まれているMy Thinkpad X40.5を最近作ったOkemosです。CPUはどっちもPenMの1.5なんで…

48. アーサー・チャールズ・クラーク

1992年に亡くなったアイザック・アシモフの最後の自伝的エッセイ、"I.Asimov: A Memoir" (1994)の第48セクション「アーサー・チャールズ・クラーク」の翻訳です。アシモフ、ハインラインと共にビッグスリーの一角を成す、というか成していたクラークについて…

47. ビッグ・スリー

1992年に亡くなったアイザック・アシモフの最後の自伝的エッセイ、"I.Asimov: A Memoir" (1994)の第47セクション「ビッグ・スリー」の翻訳です。一般にビッグ・スリーというとかつてのアメリカ自動車業界の3社の事をさすかと思いますが、SF界ではハインライ…

ヴォネガットとアシモフ

SF

JD-1976さんに教えられたアシモフの「贋物のPh」が収録されている「黒後家蜘蛛の会1」を図書館で借りてきて読みました。本編たるミステリ作品もいいけれど、ただアシモフは前書きやら各短編ごとのあとがきやらが楽しいですね。 ところでアシモフと一緒にヴ…

46. 職探し

1992年に亡くなったアイザック・アシモフの最後の自伝的エッセイ、"I.Asimov: A Memoir" (1994)の第46セクション「職探し」の翻訳です。アシモフ自伝「職探し」編進行中。しかし、職探し、ってつらいですねぁ...思い出すとため息でます。でもアシモフみたい…