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P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

映画 「凶悪」 (ネタばれしてます)

前のポストに書いた「凶悪」の映画版を観てきましたので、簡単に。 映画『凶悪』予告編 - YouTube 映画版と書きましたけど、ノンフィクションの原作とは視点が変わっており、その為、基本原作のラインはなぞっていつつも全く別の印象の作品になっています。 …

「凶悪−ある死刑囚の告白―」

凶悪―ある死刑囚の告発―出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/07/05メディア: Kindle版この商品を含むブログ (5件) を見るサブタイトルそのままに、刑務所に収監されていた死刑囚から世間に知られていない3つの殺人事件についての告白をうけたジャーナリスト…

クルーグマン: 真実っぽさの時

クルーグマンのコラムの翻訳です。今回はアメリカの民主主義について、というか嘘と間違いがはびこるアメリカの政治情報について嘆いています。まあ、昔から嘆いてられますし、最近は新古典派総合*1の可能性にも悲観的なことを書いてられましたが。 誤訳、タ…

政治と所得不平等

とある論文を読んでましたら、分かりやすくて興味深い図がいくつも載っていましたのでそれらを紹介。論文はBonica, McCarty, Pool, and Rosenthal (2013) "Why Hasn't Democracy Slowed Rising Inequality?"*1、訳すると「なぜ民主主義は拡大する不平等を抑…

ハリウッドが一番儲けるジャンル

Economixのキャサリン・ランペルさんが映画ジャンルごとの投資収益率についての記事を書いてました。一応映画好きなので、訳しておきます。 ハリウッドが一番儲けるジャンル 今週初め、Forbesがこの夏の映画の投資収益率(R.O.I.)についての記事を掲載したが…

フィアー・アンド・ロウシング・イン・チャイナ・デイリー

The Atlanticに2007年から1年間、中国の英語新聞China Dailyで働いていたカナダ人、Mitch MoxleyによるChina Dailyで働いていた時期についての回想録、Apologies to My Censorからの抜粋が載っていました。で面白いかなと思いましたので、訳してみました。発…

「風立ちぬ」 

もともと気にはなってたのですが、村上隆さんのtogetter「村上隆氏、 #風立ちぬ に感動する」と、小飼弾さんのブログポスト「原作陵辱 - 品評 - 風立ちぬ」を読んで非常にそそられたので観てきました。 という事であんまりはネタバレしない程度に感想。はて…

あ、差し押さえる家、間違えた!でも、謝んないよ〜ん

アメリカ・オハイオ州での事件なんですが、ビックリしたのでブログに。 家のローン返済が滞ると差し押さえを受けたりします。日本ではどうなのか知りませんが、アメリカではローンの貸し手がレポマン(回収業者)を送り込んで、返済が滞っている住人がいない…

クルーグマン:中国、壁にぶつかる

またクルーグマンの翻訳です。今回はクルーグマンが中国経済の問題について書いてたので、訳してみました。クルーグマンは中国については以前から色々と批判的な事をかいてますが、中国の景気悪化について書いたのは初めてじゃないですかね? クルーグマンは…

 クルーグマン:よりマシな搾取へ

クルーグマンのブログポストの翻訳です。このポストで扱われている搾取とは、発展途上国での低賃金労働者が詰め込まれて働く工場、いわゆるスウェットショップ・搾取工場といわれるものについてです。そういった発展途上国の工場・労働環境の改善は欧米のリ…

クルーグマン: ラッダイトを憐れむ歌

クルーグマンのコラムの翻訳です。これは最近、彼がブログで書いていた技術進歩と人的資本の損失(何が価値ある資本なのかは技術を含めた社会のありように依存しますから)、そして不平等の拡大についての記事をまとめたものになってます。 このブログははて…

クルーグマン: 人的資本の喪失

へーい、またクルーグマンネタです。しばらく前にクルーグマンが技術進歩による雇用への影響についてブログで続けて書いていたことがあり、面白かったので訳しました。ですがその後、全然触れなくなり、代わりにラインハートとロゴフ叩きとかをやってはって(…

かつての(過ぎ去りし)人的資本黄金時代

マサチューセッツ大学アムハースト校の経済学者、ナンシー・フォルバー(Nancy Folbre)による人的資本の価値が失われつつあるというブログ記事の翻訳です。

クルーグマン: アベノミクスと利子率

またまたクルーグマンのブログでの日本ネタの翻訳です。日本の長期利子率の上昇についてアメリカの経済系ブログで色々主張されているようで、クルーグマンがそれについての意見を書いてました。ほんとは昨日の記事なので昨日中に訳せれば良かったんですが、…

クルーグマン: モデルとしての日本

またクルーグマンの翻訳です。日本がらみだと訳してしまいますね。クルーグマンはリベラルですが、アベノミクスが上手くいくことを願っています。俺も安倍政権は好きじゃないですが、いい加減日本の経済的衰退にはうんざりなので、ほんとにアベノミクスに成…

クルーグマン: 初歩だよ、ワタナベ君!

なんか東京株式市場が1000円以上急落だそうで。アベノミクスの調整局面とかなんとか適当な事が言われていますが、まあとにかく、影響の大きい事件のようでクルーグマンも自身のブログでコメントしてました。基本、金融市場の動きに説明なんかつかないよと言…

クルーグマン:緊縮のスミス・クライン・カレツキ理論

"Strange bedfellows"という言葉がありますが、ほんと世の中は状況次第でいろんな組み合わせがあるものです。あとそして、国や時代が違えども人間のやること変わらないなとも。というわけで、クルーグマンがまた新しく緊縮政策批判について書いたブログ記事…

経済学者のためのSF

なぜだか最近、SF小説お勧めリストがはてなブックマークをにぎわしてます。 読んでいてもたいして良いことはないSF名作私選十作 - 脳髄にアイスピック読んでなくてもヤバくない名作?SF小説10選 - novtan別館読んでおくと良いかも知れない名作SF小説8選 -…

クルーグマン:宇宙人の代役

また久しぶりの翻訳です。色々忙しいのですが、ファイナンシャルタイムズに載ったなぜ日本がリフレ政策に乗り出したのかについてのコラムについてクルーグマンが短い文章を、この夏公開のSF映画Pacific Rimの画像をつけて書いてましたので、訳しておくことに…

ポール・クルーグマン: あの賃金を引き上げろ

hamachanさんがこのブログポストで取り上げている、クルーグマンの最低賃金についての新聞コラムの翻訳です。 追記:コメント欄でのoptical_frogさんの意見を参考に、といいますかopical訳の方が良かったのでのそのままいただきました(汗)。 あの賃金を引き…

DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?

二日続けて観てしまいました。アイドルなんて「夢で騙した少女を餌にしたオタの搾取」と考えていたのに!そして今では、考えは変わらないものの思い入れが大きく変わってしまいました... [追記あり] 監督: 高橋栄樹 AKBのドキュメンタリー映画第3作目です。…

プレッパーズ、あるいは災厄(の妄想)に備える人々

アメリカ時間で12月14日の午前にコネチカット州ニュータウンのサンディ・フック小学校で起こった銃乱射による虐殺事件では、20人の小学生と6名の職員が殺され、最後に犯人のアダム・ランザが自殺して終わりました。よく知られているようにこのアダム・ランザ…

クルーグマン:ロボットと泥棒男爵、そしてその他の物語

クルーグマンの記事翻訳です。メインはクルーグマンのコラム記事「ロボットと泥棒男爵」なんですが、クルーグマンはそのコラムの前後に関連したブログ記事を書いてます。なので今回は「ズバリ見せます、コラムの舞台裏!」という安いテレビ企画みたいな感じ…

2012年アメリカ大統領選、関係者の発言

さてご存知のように一ヵ月前に2012年のアメリカ大統領選は終わりまして、オバマの勝利となりました。その選挙で各陣営の参謀として働いた人たちが選挙についての分析を語り合うコンファレンスが11月29日にハーバード大学で行われたそうです。これは1972年以…

オバマ・リアラインメント by ロス・ドーサット

2012年のアメリカ大統領選が終わりましたね。結果は事前に予想されていた通り、オバマの勝利となりました。New York Timesによると、日本時間の11月8日午前10時時点で、オバマの獲得した選挙人が303人、ラムニーが獲得した選挙人が206人、そしてフロリダの当…

クルーグマン:アシモフ「ファウンデーション」シリーズへのイントロダクション

クルーグマンが新しくでるアシモフの「ファウンデーション」シリーズへイントロダクションを寄せたそうで、それを自身のブログで公表していました。でまあ、クルーグマンもアシモフ*1もどちらも著名人なんですが、だからといってその二乗のこのイントロが日…

どくしょかんそうぶん:「クトゥルフ神話への招待 遊星からの物体X」

「クトゥルフ神話への招待 遊星からの物体X」を読んだので、感想を書いとく。 ちょっと前の「這いよれ!ニャル子さん」によるプチ・クトゥルフ神話ブームを受けて出たのかな?と邪推。 ただラブクラフト御大の作品は一作だけ。 代わりに、頼るのにアニメ一…

経済学者達も同意できる!(そう仮定すればな!)

(@emigrlさんからの指摘を受けて、注を修正) NPRの経済専門ブログPlanet Moneyが架空の大統領候補の為の経済政策として、左から右まで揃った5人の経済学者達全員が同意する5つの経済政策と1つの刑法の変更の合計6つをまとめて、放送しました。以下がその6…

マクドナルドはヘルシーフード?

マクドナルドといえば不健康食の代名詞、アメリカの肥満を司るデブの使者として有名ですが、そのマクドナルドが健康食として宣伝されている国があるそうです。そんな馬鹿な?!と言いたいところですが、NPRの報道によると、中国のマクドナルドはヘルシーフー…

はっきり言っちゃいましょう、問題は共和党だって!

中道のシンクタンク、ブルッキングス研究所のトーマス・マン(Thomas Mann)と、保守派シンクタンクのAmerican Enterprise Instituteのノーマン・オーンスティンが書いたIt's Worse Than It Looksがワシントンで話題になっているそうです。この本は、今のアメ…

アセモグル・ロビンソン:収奪的エリートと労働組合

収奪的エリートとはだれなのか? ダーロン・アセモグル、ジェームズ・ロビンソン 2012年5月1日

ポール・クルーグマン:経済学者にしてSFファン

久しぶりにクルーグマンの記事を翻訳しました。クルーグマンのネット上での翻訳はoptical Frogさん等々、うまい方が何人も訳されているので俺がやる意味はないと思っていたのですが、今回のは(ちょっとだけ)SF絡みなのでやっておくことにしました(そして…

アセモグル、ロビンソン:アメリカの失敗

アメリカの失敗 アセモグル、ロビンソン 2012年4月23日

アセモグル、ロビンソン:収奪的成長

収奪的(Extractive)成長:マット・イグレジアスへの返答 アセモグル、ロビンソン、2012年4月10日 追記:「収奪的 Extractive」というのはアセモグルとロビンソンの本、Why Nations Failの中で説明されている概念ですが、この記事の中では特に説明されていま…

アセモグル、ロビンソン:「民主主義とその不満分子」

さてさて、アセモグルとロビンソンの「民主主義庇護」についてのブログ記事です。この二人は政治経済学者・政治学者で、民主主義と独裁についての理論モデルや実証を色々やってる人達です。たとえばこの本とか*1。彼らの現在のブログがその販促となっている…

アセモグル、ロビンソン: 「不平等とケインズ経済学」

クルーグマンと彼の妻のロビン・ウェルズがウォール街選挙運動から出てきたオキュパイ運動のハンドブック「オキュパイハンドブック」に文章を寄せました。同じく文章を寄せているアセモグルとロビンソンがこのクルーグマン/ウェルズの文章についてちょい批判…

アセモグル、ロビンソン:「法と強制では人の心を変えることはできない」か?

新著"Why Nations Fail"を出したアセモグルとロビンソンがおそらく販促の為に同名のブログを初めたのですが、結構な頻度で更新しています。アセモグルとロビンソンは政治経済学の分野で著名な経済学者/政治学者ですが、書いてる内容は理論偏重ではなくて読み…

タイラー・コーエン: 寿司とトレーニングの均衡

タイラー・コーエンが、ミシュラン三ツ星を持つ日本のお寿司屋さん「すきやばし次郎」についてのドキュメンタリー映画"Jiro Dreams of Sushi"を観たようで、それにインスパイヤされて寿司屋の修行への投資の均衡について語ってました。 まあ軽く書いてみたと…

アメリカの経済学者達による2011年を表すグラフ

BBCの集めたエコノミストによる2011年を表すグラフをhimaginaryさんが紹介していますが、アメリカの有名ブロガーのEzra Kleinがそれのアメリカ版として18人の経済学者、政策担当者、金融関係者から18枚のグラフを集めました。 なんか、楽しそうでしょ?笑 ま…

ジャパン、すげー!:世界各国の債務のグラフ

ここしばらくアメリカ政治ネタだったので、経済ネタを。というかグラフを。 マシュー・イグレジアス経由でTim Fernhorzが紹介している世界各国の債務と成長率の綺麗なグラフを知り、特に新しい情報があるわけではないのですが比較のグラフにされて改めて、お…

ギングリッチ:挫折から政治アントレプレナーへ

2012年のアメリカ大統領選に向けた共和党の大統領候補選出の為の予備選、一応本命はミット・ラムニーですが、その対抗が次々に浮かび上がってきては沈んでいっています:女性候補のミシェル・バックマン、テキサス州知事のリック・ペリー、黒人でピザチェー…

ミット・ラムニーは両党協調の夢をみるか?

またまたまたTPMから。 ミット・ラムニーの一万ドルの賭けの続報です。 民主・共和両党間での対立ばかりが目立つアメリカの政界ですが、たまには協調的行動も起こります。 ラムニーから1万ドルの賭けを申し込まれたリック・ペリー陣営は「1万ドルはアメリカ…

ミット・ラムニーの1万ドルの賭けと、民主党の高笑い

またまたTPMから。 2012年アメリカ大統領選挙へ向けての共和党中枢にとっての本命、元マサチューセッツ州知事ミット・ラムニーと、しばらく前までラムニーへの対抗馬として人気急上昇中だった(そして今はその立場をギングリッチに奪われてしまった)テキサ…

ギングリッチ:パレスチナ人は我々の発明です!

TPMによると、共和党の大統領候補として立候補して現在、支持が今日上昇中のニュート・ギングリッチがジューイッシュチャンネル("The Jewish Channel"、Jewishはユダヤの意味)で、以下の発言をしたそうです。 「思い出すべきなのは、国としてのパレスチナは…

我はアシモフ 55.科学論文

1994年に出版された"I.Asimov"からの翻訳です。今回は研究者にとってもっとも重要な論文執筆について(あるいは、執筆できないことについて)と、あとノンフィクションの執筆についてです。アシモフは多作で有名、さらには本人に著作数についての執着もあっ…

我はアシモフ 54. ボストン大学医学校

アシモフの"I.Asimov"から翻訳です。今回はアシモフが勤め始めたボストン大学医学校について。人間関係と、アシモフがダメ研究者だったという話です。 もし誤訳・タイポなどがあれば、いつものようにコメント欄にお願いします。追記:ssuguruさんから指摘を…

ヨーロッパにおける年齢の決定要因、あるいは耳毛と年齢の関係

opticalさんが訳されたハーフォートのブログポストで、GDPとペニスサイズの間には有意な関係があるという冗談論文が紹介されていました。これは社会科学において、統計の利用は単に技術だけの問題ではないということを主張するためのそれなりにまじめな論…

我はアシモフ:51.ようやく新しい仕事

もう一年半以上経ってますが、アシモフの自伝、というか回想録である"I.Asimov"からの翻訳です。今回は博士号を取得して大学院を卒業した後、職探しに苦労したけどようやく就職できたよ!という話です。アシモフせんせも若い内は結構苦労してます。 ちなみに…

英国暴動の件、あるいは隣の暴動は綺麗に見える事について

英国での暴動、俺は特に興味あるわけじゃないのですが、それでも正直、ついこないだの中東でのことについてはソーシャルメディアがどうこうとか持ち上げてたのに、今回は違うんですかとつい皮肉っぽくなってしまいます。*1 そんな時にたまたま下のアメリカの…

ユーロ危機についてのさらなるお勉強 (とってもガリ勉的)

昨日訳しましたイタリアの債務問題、というかユーロの危機についてのクルーグマンのブログポストの補足がでてましたので訳しておきました。 もし誤字脱字・訳し間違いなどがありましたら、コメント欄にお願いします。