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政治、経済、そしてScience Fiction

クルーグマン:大恐慌は金融の問題だった?

クルーグマン大恐慌についてのブログです。
大恐慌は金融の問題だった?  ポール・クルーグマン 2008年11月28日
今の危機が経済史の大きな疑問の一つにヒントを与えている事に気づいた人は他にいるかな?
ケインズの一般理論の主要なテーマの一つは、恐慌のような状況での金融政策の無力だった。しかしミルトン・フリードマンとアンナ・シュワルツは、彼らの権威あるアメリカの金融史において、連銀は大恐慌を防ぐ事が出来たはずだという主張を行った−−これは後に、フリードマンその人が書いたものものも含めた、もっと一般向けに書かれたもの文章で、連銀が大恐慌を引き起こしたという主張にかわってしまった。
さて、連銀が実際にコントロールできるものはマネタリー・ベース、つまり現金と預金準備の合計だ。上の表が示しているように、そのベースは恐慌の激しい落ち込みの中、実は増加していた。だから連銀が大恐慌を引き起こしたと主張するのはなかり難しい。しかし、もし連銀がもっとがんばっていれば、大恐慌を防ぐ事は出来たはずだという主張する事はできるだろう−−もし連銀がもっとずっと多くマネタリーベースを増やし、問題に陥った銀行を救う為にもっとがんばっていたなら、と。
さて、我々はいま1930年代を思い出させるような新しい危機に直面している。そして今回、連銀はマネタリー・ベースを増やす事にとんでもないほど積極的だ。

で、どうなったと思う?これが全然効果がないみたいなんだ。
金融史のテーマは、壁に頭を打ちつけたみたいだね。