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P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

ギングリッチ:挫折から政治アントレプレナーへ

2012年のアメリカ大統領選に向けた共和党の大統領候補選出の為の予備選、一応本命はミット・ラムニーですが、その対抗が次々に浮かび上がってきては沈んでいっています:女性候補のミシェル・バックマンテキサス州知事のリック・ペリー、黒人でピザチェーンオーナーのハーマン・ケイン等々。そして今一番人気の対抗馬が、1994年のアメリカ下院奪取して下院議長となり、クリントン大統領の弾劾を指揮したが、結局1998年に議長職を辞任したニュート・ギングリッチです。まあ、もっともそのギングリッチもどうももうそろそろ沈みだしているという世論調査も出てきてますが、とにかくまだラムニーを抑えて共和党の一番人気です。しかし、共和党の中枢、エスタブリッシュメントからは全く歓迎されておらず、みな反ギングリッチに傾いています。一体なぜなのか?と思ってましたが、アメリカの公共ラジオNPRの番組、Fresh Airで長くギングリッチの取材を続けてきたジャーナリストへのインタビューによるギングリッチプロフィール紹介がありましたので、訳してみる事にしました。
ただ、そのコーナーが34分のあるので長いし、そんな難しい言葉はつかってないのですがやはりラジオの聞き取りだとよくわからないところも出てきます。そもそも話している側もそんなに理路整然と話しているわけじゃないですし。で、何時間も苦労してようやく大半を訳したら、実はちゃんとトランスクリプトがあることがわかって...疲れました*1。というか、最初からこっちを使っておけば楽だったのに。
一応、トランスクリプトを使って訳の確認はしていますが、もともと聞き取りで早く訳そうとしてましたので、トランスクリプトを見つけたあとも一字一句を正確に訳してはいませんし、ちょっと削ったところもあります。意味はあっているはずですが、ただし一文だけ訳せないところがありました。ですので、タイポ、誤訳を発見した方、およびこの箇所を訳せる人はコメント欄にお願いします。


Fresh Airはテリィ−・グロス(Terry Gross)をホストする報道番組で、毎日1時間の放送時間中、2つか3つのテーマについてゲストを呼ぶなどして放送しています。このギングリッチについての放送のゲスト、カレン・タマルティ(Karen Tumulty)はロサンゼルス・タイムズやタイム誌、そして今はワシントン・ポストで書いているジャーナリストで、95年にはギングリッチをMan of the Yearに選んだ記事を書いているそうです。以下では、ホストのテリィ−・グロスをG、タマルティをTとしています。

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G:カレン・タマルティ、お久しぶりです。ギングリッチの政治家活動について振り返っておきたいと思います。1995年、その年末にあなたが共著でギングリッチ"Man of the year"として選んだ記事をタイム誌に書いた年を振り返りましょう。その中で、ギングリッチはアメリカ政治の古い秩序を破壊したと書かれましたね。どういう意味だったんでしょうか?


T:1994年に共和党はギングリッチのリーダーシップの下に下院を取り戻しましたが、それは40年ぶりの事でした。その期間、共和党は少数派政党であっただけでなく、事実上、重要性を失っていました。それを変えたのがギングリッチです。下院のベンチ*2などが力をもった下院議長として語られますが、実際のところ彼らは交通警官のようなものでした。彼らはしょっちゅう、彼ら自身の(党の)委員会委員長によって縛られていました。ギングリッチはこういった事を研究して、彼のもとではそういったことが起こらないようにしようとしていたのです。ですが問題は、彼自身のリーダーシップチーム、彼のマネージメントスキルが、手にした強力なツールにみあうようなものではしばしばなかったようだった、ということでした。機能しないリーダーシップチームでした。そしてついに、そのチームのメンバー、ディック・アーミーやトム・ディレイなどによる、議長追放の反乱も計画されました。ギングリッチはそれを発見してその全員を呼び出し、そして彼に忠実な者たちも連れてきました。そして、最終的に、そのチームのメンバー全員に、彼らは反乱計画に加担していたんですが、公式に彼らにそういった事はついては何も知らなかったと発言させました。それ以来、ギングリッチと、ディック・アーミーやトム・ディレイとの関係は非常にぎこちないものになりました。そして全員が自身の背後に気をつけるようになったのです。


G:その反乱に関わっていたうちの少なくとも二人、デック・アーミー、ジョン・ベイナー*3未だに政界で大きな力を持っています。ディック・アーミーはティーパーティーに資金を提供しているグループを運営していますし、ジョン・ベイナーは下院議長です。彼らはギングリッチへの敵対行動をとってると思いますか?


T:興味あるところです。当時、議会にいて、今、ギングリッチの急上昇を目撃して非常に落ち着かない気分になっている人を沢山知っています。ワシントンでの彼の行動を目撃していた人達はたいてい、彼の過去の行動における抑制のなさ、党へのダメージにつながるような行動をつい取ってしまう彼の傾向などについて心配しています。だから、彼の以前の仲間たちが集まってきたりはしないわけです。


G:集まってはこないのでしょうが、たとえばディック・アーミーは資金も組織もあってティーパーティーを支援している人物が積極的に彼に敵対しているのですか?


T:難しいところです。ティーパーティーはミット・ラムニーも嫌いなのです。そしてデック・アーミーのようなの人物にとっては困ったことに、ギングリッチへのサポートの多くはティーパーティーのメンバーから来ています。彼らはギングリッチの中に、彼らのワシントンに対するフラストレーションの声を見ています。そしてまた選挙活動で多くの人と話しましたが、来年の秋にオバマとのディベート行うのはギングリッチであって欲しいと思っている人が多くいるのです。ディック・アーミーはテレビなどでギングリッチに対する批判的な発言をするでしょうが、少なくとも今の段階では、ディック・アーミーがギングリッチを負かす為ににティーパーティーのリソースの多くをさくとは思えません。


G:ティーパーティーからの支持についてよく分からないのが、ティーパーティーは反ワシントン・インサイダー、反ロビイストなのに、ギングリッチはまさにワシントンだということです。彼は下院議長だったし、そのゲームをよく知っており、そしてプレイしていました。彼は技術的にはロビイストではありませんが、似たよう感じで色々なグループにアドバイスをしています。一体どうして、彼が外部の人間にみえるんでしょう。


T:ギングリッチにワシントン・インサイダーのラベルをはりつけるのは非常に難しいと思います。それはですね、内部にいた時の大半、彼はそこに爆弾でも投げつけようとしているように見えたからです。なので彼は権力の内部にいるようには見られていないわけなんです。そして今、草の根の運動におけるリーダーのポジションについている人達の多くは、ギングリッチがGOPACのような組織を運営している頃に大人になりました。そこで彼らはギングリッチに耳を傾けるわけです。彼の情熱のこもった...彼は何本ものテープを持っていて、それをかけているんです。またリーダーシップについての組織も経営しています。彼らはギングリッチを党の中の変化の旗手として覚えているのです。彼は勿論、議会を離れた後、非常に裕福になりましたし、彼はワシントンのシステムを非常に起業家的に利用することでそれを実現しました。しかしそれを彼への批判として利用することは、政界の他の誰に対してよりも難しいと思います。


G:ティーパーティーには彼にオバマ大統領とのディベートを行なって欲しいと思っている人が多いということですが、オバマ大統領は右派の多くから学者的だと批判されてきました。学者的なのは悪い事だとしてです。しかしギングリッチは大学の歴史の教員であったことを誇っており*4、そのアプローチは学者的です。一体どういうことなんでしょう?


T:まあ、彼のディベートにおける言動は衒学的な、学者っぽいものではないですよね。そしてとても情熱的にオバマを批判しています。ティーパーティーの人達は彼がメディアや、ディベートにおける司会すら攻撃し続けているのを喜んでいます。さらに彼らは彼が彼らの問題についての認識をうまく語ってくれていると感じています。そしてまた彼は全般的にアップビートでディベートにおいて抑制を効かせて、他の共和党候補の批判をしなかった事、そして問題の枠組みを提示する彼の能力によって多くの人を驚かせたと思います。


G:つまり、彼のディベートスタイルが好まれているということですね。また彼が議会でやった事のなかには、C-Span*5に多く出ることなどによって自分の名前を有名にしたことですね。彼が議会にやって来たのは、C-Spanのカメラが来たのと同じ時でした*6


T:それは多分、ギングリッチの人生にとってもっとも幸福な偶然だったでしょう。彼とカメラが議会に一緒にやってきたのは。


(笑)


G:また、彼がやっていたのは、深夜、誰もが帰宅した後の議会でカメラに向かって話すことでしたね。そして、ティップ・オニール*7はそれに対して何をやったんでしたか?すごい話ですよね。


T:民主党の事で彼が非難しない事はありませんでした。そしてついにティップ・オニールが腹に据えかねて...


G:ティップ・オニールが下院議長だった頃ですね。


T:そうです。ティップ・オニールが下院議長だった頃です。そしてギングリッチは、Special Ordersと呼ばれる時間中に議場に出てきたんです。下院は会期中ではなかったんですが。しかし下院のリーダーはカメラをコントロール出来ましたし、視聴者は議員が空っぽの議会に向かって話しているなんてわかりません。なので、ニュート・ギングリッチはそこで立ち上がると、ありとあらゆるタイプの汚職について民主党を非難したんです。視聴者にわかるのは、彼の仲間達がそれに耳を傾けていることだけです。そしてティップ・オニールは、確か、これは私の下院生活において目にしたもっとも低劣な行為だと語ったはずです。そしてカメラに議席が映るようにさせたんです。真実が見えるように。ギングリッチとそのConcervative Oppourtunity Societyと呼ばれる彼の仲間達が実は空っぽの議会に向けて話している事が見えるように。


G:ギングリッチにとっては恥ずかしい事態ですよね。


T:そうでした。ですが、それでも彼はとまりませんでした。


G:ギングリッチが議会にいた時、まだ共和党が少数派であった時ですが、彼は『爆弾投げ屋』として知られていました。どうしてそういう評判を得たんですか?


T:彼は議会にやってきてほとんどすぐから、有名な民主党議員に対して倫理に関する糾弾を行いました。そして彼はこの、文字通り相手を叩き潰す十字軍を続けていきました。その内のもっとも大胆な活動で、最終的に成功したのが、当時下院議長だったジム・ライト*8を対象にしたものでした。ライトはとても強力で有能な議長でしたが、ギングリッチはありとあらゆる方面から攻撃しました。特に倫理の面から行いましたが、それには本についての契約に関する疑問がありました。それがジム・ライトが結局、辞任する事になった主な理由だったと思います。これによって彼は共和党員の中でヒーローになったわけです。


G:そのジム・ライトの本の契約についての疑問とはどういうものだったんですか?


T:ジム・ライトが本を書いて、講演の際にその本を売っていたのですが、利益団体が本を買うことでライトに金を渡していたのではないかという疑問でした。この件の面白いところは、ギングリッチ自身が議長就任してほとんどすぐに怪しげな本の契約を行ったことです。


G:450万ドルの契約ですね、ルパート・マードックが所有する出版社との。マードックは今はフォックスニュースを所有しています。


T:そうです。そして、その本の契約は彼が議長になった後に申し込まれました。なので、それはまさに誰かが彼を買収しようとしているように見えたんです。なので結局、ギングリッチの下院の同僚達が、とくにギングリッチの下院でのおそらく一番親しい友だちだったボブ・ウォーカーが彼のところへゆき、『こんな事はしちゃいけない、我々全員へのダメージとなる、非常にマズイことをしているように見える」と伝えたんです。


G:それで彼は450万ドルの契約を100万ドルの契約に変更したと。


T:そうです(笑)


G:それでも本の契約としては、いやなんの契約としてもとても高額なものですが(笑)


T:そうです。そして、本の出版と映画の制作は彼の主要な収入源になっています。


G:彼が下院を離れる前、彼に対して多くの倫理的糾弾がされましたね。いくつありましたか?


T:大きいものが一つありました。倫理上の大きな問題になったもので、大学の講義に関係したものでした。その講義は彼が作らせたもので、その費用の大部分はGOPAC、彼が作った共和党の政治活動委員会からでていました。そしてその費用は税控除されるべきだと主張していました。この講義は政治的なものではないので、その費用は控除されるべきだと彼は主張したんです。で、それについての倫理上の大規模な調査が行われる中で、彼は虚偽の書類にサインして、最終的に30万ドルの罰金を下院から課せられました。主な理由は、下院の倫理委員会で虚偽の証言をしたからです。これの皮肉な点は、まあこの事が話題となるたびにギングリッチが言うことですが、数年後、内国歳入庁が実はギングリッチが正しかった、この講義は政治的なものではなかった、すくなくとも歳入庁の基準では違ったと判断したことです。


G:ニュート・ギングリッチクリントン弾劾を指揮した者のうちの一人です。しかし彼が弾劾を指揮しながら、彼自身が浮気をしていました。結婚していたのに他の女性と関係を持っていて、後日、その女性と結婚しました。彼が大統領を弾劾しようとしていたまさにその時、彼が浮気をしていた事は一般に知られていたことでしたか?ここで、大統領を弾劾しようとしていたのはモニカ・ルインスキーとの関係のせいではなくて、大陪審に嘘をついたから、そして、嘘は違法だからだとギングリッチはしばしば述べている事は言っておくべきでしょうね。


T:弾劾の手続きが進んでいる時、ギングリッチと下院の農業委員会の若いスタッフとの間の関係が進んでいた事を知っていた人は首都には結構いると思います。しかし一般には知られていませんでした。実際、思い出せる限り、ヴァニティフェアに載ったGail Sheehyによるギングリッチのプロフィールで軽く触れていただけでした。それはひとつのセンテンスですらなかったはずで、ギングリッチにはCallista Bisekを含む多くの女性崇拝者がいるとありました。たしか彼女と朝食を頻繁に一緒にとっていると書かれていたはずです。ですからかなり遠まわしに匂わせているだけでしたね。そしてメインストリートメディアなどでは出てくるようなものでもなかったですし、我々の多くも特に気づいてはいませんでした。


G:そしてCallistaは、勿論、いまでは彼の妻で、彼の政治キャンペーンを助けています。しかし、ご存知のように、彼は何度も不貞を続けてきました。彼の最初の結婚の間、彼は後に彼の妻となる女性と関係をもち、そしてその第二の妻との結婚期間中、彼はCallistaと関係をもって、彼女は今の彼の妻となりました。ですから、彼が大統領を弾劾しようとしたのは偽善であったというだけではなく、ヴァリューボーター、道徳を重視する有権者と自らをみなしている人々に対して、いま大統領候補としてどうこれが影響をおよぼすのかという疑問が出てきます。


T:私にはわかりません。ご存知でしょうが、サウスカロライナやアイオワといった場所の人々、とくに福音派の有権者達と話をしてきましたが、彼らはこんな事は許せないと語っていました。しかしその後、彼の結婚はとても幸福なもののように見えていますし、彼はカソリックへ入信しました。彼は自分の娘や孫たちの事をとても頻繁に話します。そして、福音派の有権者は贖罪の物語が大好きです。私が思うにまだ答えが分からない問いは、彼らがこれはギングリッチがちゃんと心を入れ替えたとみなすかどうか、以前とは違う彼になったと考えるかどうかでしょう。そして、私が言ったように、投票が始まるまでは、その答えは分からないとおもいます。


G:さて、クリントン大統領が再選された後、下院の共和党の中でギングリッチをやめさせようとする反乱が試みられた事はすでに語りました。その反乱は失敗しましたが、1998年、彼が再選された後、彼は議会から完全に引退してしまいます。なぜ彼はそうしたんでしょうか?


T:彼が引退したのは、彼が下院を、文字通り、弾劾にかけたからです。彼はその仲間に、一月後に起こることになっていた弾劾に向けて全速で駆けていけば、国中が立ち上がって拍手を送ると確約していたんです。ですがその逆に、共和党は議席を減らしました。それは中間選挙でしたから、2度の選挙続けてです。その頃までにはギングリッチ自身が政治的な重荷になっていましたから、当時、歳出委員会の委員長であったビル・リビングストンが彼に対抗して出馬する用意があるとはっきり示し、ギングリッチは災いの前兆を見てとって引退することにしたのです。


G:彼が引退した時、彼の財政状況はどうだったのでしょう?


T:まあ基本的には、その時点でギングリッチは自分がワシントンのエスタブリッシュメントから非常に嫌われていることがわかっていました。そして大学院を出て以来初めて、彼は失業していました。また、彼は高くついた離婚を経ていたのに、さらにもう一つ経験するところでした。なので彼はそのアドバイザー達と、いかにして彼が生活していくかを相談しました。ですが、彼は彼らに2つのことは絶対にしないと告げていました。一つは、彼は何かの商品を推奨したりしないということです。その頃、ボブ・ドールがバイアグラのコマーシャルに出ていましたが、彼は自分はそんな事はしないと告げました。そして2つ目に、彼はロビイストとして登録はしないと告げました。何がロビイストなのかについての法的な定義はかなり狭いものです。そして、議会に行って以前の仲間からの好意を求めるのは、彼自身とそして彼がかつて務めた職の双方にとって屈辱的な事だと考えていました。ですからその他に出来ることはなにかを考えて、最初に思いついたのが、大規模な講演旅行を行うことでした。こうして彼は自分がいまだに国中の共和党員の中に多くのフォロアーを持っていることを見つけ出しました。そして、彼は一回6万ドルの講演を50から80回行うようになったのです。そしてその上に、かれは企業やその他のクライアントへのコンサルティングサービスを提供しだすようになりました。で、なにが違うのかということになります。コンサルティングと呼ばれる仕事と、ロビイングと呼ばれる仕事の間には非常に小さな違いしかないという人もいます。実際、かれはクライアントにいかにして彼らの懸案を議会に取り上げさせ、議会を通すかについてのアドバイスを提供していました。そうして彼はついに金銭的大当たり、彼の最大の金儲けの手段、企業が2万ドルから20万ドルの年会費を払って参加する営利のシンクタンクへとなっていくものを考えだしたのです。そして最終的にそれによって彼は5500万ドルを得たのです。そしてこの十年間での彼のビジネス全てを合わると、彼の弁護士によれば、まあ、これらはみな未上場なので確認はできないですし、所得ではなく収入ですが、1億ドルを得たそうです。


G:ヘルスケアのシンクタンク、The Center for Health Transformation、は参加を考えているメンバーに、もし参加したならば、引用しますが、『ニュート・ギングリッチへのアクセス」、そしてまた引用して、『ニュートとの直接のやり取り』、そしてまた引用、「業界と政府をまたいだトランスフォーメーショナル・リーダーシップのトップへのアクセス」を得ることができると約束していますね。そうすると、これとロビーイングにはなんの違いがあるのですしょうか?


T:ロビーイングは議会か連邦機関に出向いてミーティングのアレンジをし、何かの恩恵を頼む事をいいます。ギングリッチが行うことは、どうやったらこういった事を行えるのかについてのアドバイスを与える事で、彼自身は電話をかけてX議員にY企業と会ってくれないかと頼んだりはしないわけです。しかし彼は企業が政治家と密接に出会えるカンファレンスをアレンジしたりします。そしてその他に、彼はこういった企業の利益につながるような何かについての公的な支持者となったりします。例えば、Novo Nordiskは糖尿病治療薬を作っている会社ですが、ギングリッチはそれのカンファレンスでのキーノートの講演者となったりします。彼の名前がそれのプレスリリースにのって、糖尿病治療におけるこの会社のリーダーシップを褒め称えるわけです。勿論、糖尿病治療やその予防、そして糖尿病患者の看護はすべてとても価値ある目的です。しかし、その目的はこの会社の利益にとっても良いものでもあるのです。


G:彼はフレディーマックから180万ドルのコンサルティングフィーも受け取っていますね。これはおもしろいことです。保守派は住宅危機についてフレディーマックの貸付を責めていますからね*9。それで、彼がフレディーマックへのコンサルタントとして行ったこと、彼は最初、自分はフレディーマックの歴史家だと言ってましたが、それとロビーイングの間にどんな違いがあるんでしょう?


T:まあ、彼は自分がしたのはアドバイスを与えることだったと主張しています。そして彼らのビジネスモデルが間違っていると警告したとも言っています。それを証言してくれるソースはありませんが。しかし、彼が彼らのアジェンダを推進するために雇われたという事実が、この政治キャンペーンの中で彼にとっては大きな問題になるだろうと思います。そして、彼の競争相手達は、共和党の候補がフレディーからお金をもらっていて、どうやってファニーやフレディーについての主張を来年秋の選挙で行うのかと言ってくると思います。


G:さて、ニュート・ギングリッチには、彼が大統領選のキャンペーンを始めた後、この夏に閉鎖したグループがありますね。このグループは、American Solutions for Winning the Futureと呼ばれています。これは何をしていたのでしょうか?


T:これは営利シンクタンクを含めた彼のビジネスベンチャーとは違い、American Solutionsは政治的なものです。ノンプロフィットの政治的組織です。He would for instance go around the country, one of their big campaigns was drill here, drill now, where he was and he would go around at events in the counry and promote these things *10。しかしこういった事の全てにも彼が本のサイン会をしたり、6万ドルの講演を行うのと同じ場所でAmerican Solutionsのイベントを行うようにスケジュールを組むといったシナジーはあります。ですから彼はこういったすべての事をコントロール出来るようにです。そしてAmerican Solutions の以前の幹部の一部は、彼は否定していますが、American Solutionsがたとえば彼の旅費などを支払うことができるように時折、帳簿が操作されていたと語っています。


G:なぜそれが助けになるんですか?自分のポケットから出さずすむように、ノンプロフィットに支払わせてから?


T:まあ、それは一部の...


G:そう批判されているということですよね


T:そうです。


G:ふむ。


T:それは一部の人達が。彼自身の弁護士は、彼らは非常に慎重で、例えばプライベートの飛行機の利用や、運転手付きリムジンの利用、そして、その他全ては適切に支払われていたと言っています。しかしながら、2つの組織、American Solutions と彼の営利の組織、両方の以前の幹部達がそうは思えなかったと言っています。


G:それから、ニュート・ギングリッチは、彼は個人的に負債を負っているんですか?それとも彼の選挙陣営がそうなんでしょうか?


T:彼の陣営が負債を負っています。覚えてられるでしょうが、彼はほんとによろめきながらようやくキャンペーンを始めましたし、立候補して数週間で彼のコンサルタントのトップチームが全員、彼から離れて行きました。そして、その時に、かれは貸切の飛行機で飛び回り、非常に贅沢なライフスタイルで過ごし、そしてまた、自分のベットで眠れるように夜には彼を家まで飛んで帰らせています。私は彼にこの事について訊ねてみました。なんでこんなに負債を増やす事が出来きたんですかと訊いてみたんです。すると彼は、口座にある額だけにしか注意を払っていなかったといいました。彼のコンサルタント達が請求書を支払っていなかったとは知らなかったと。ですから彼らが皆、去った後、彼は突然、100万ドル以上の巨額の負債がある事に気がついたのだそうです。


G:で、それは選挙陣営の負債ですか、それとも個人的なものですか?


T:陣営のものです。興味深いことに、その負債の一部は陣営がギングリッチ本人に対して負っているものなんです。例えば、陣営はドメインネームのNewt.orgをニュートのビジネスの一つから買わなければなりませんでした。そして陣営は彼の個人的なメーリングリストを利用するために彼に支払いをしなければなりませんでした。それから、そういった請求はちゃんと支払われたようです。


G:それでは、彼は、他の債権者には支払われていないのに、彼自身にはちゃんと支払わせていたと。


T:そうです。


G:彼はそのメーリングリストを4万2千ドルで売ったんですね。で、自分自身のメーリングリストを自分の選挙陣営に売ってお金を得るというのは、候補は普通に行うことなんですか?


T:まあ、まず第一に、連邦法はただで与えるのを禁じているはずです。どういう仕組になっているかにもよりますが、とにかく法によりそうすることが求められているはずです。Newt.orgのドメインネームについても同じでしょう。


G:彼は寄付することもできたわけなんですよね。


T:そうです。


G:そうすると、ギングリッチの陣営は負債まみれなわけですから、これは彼にとってこれからの選挙戦の間における大きな問題になりますか?たとえばミット・ラムニーはまだ多くの資金をもっていますよね。


T:ニュート・ギングリッチにとっての、真の大きな2つの疑問は、まず、彼が大統領候補に対して期待されるタイプの抑制を維持できるかどうかですね。そして第二に、アイオワ、ニューハンプシャー、そしてサウスカロライナ以降のキャンペーンを進めるための資金と組織を集める事が出来るかどうかです。もしこれが長く続く予備選となるなら、民主党においてよく見られるようなものになるなら、前回、民主党は6月まで続きましたし、組織と資金がとても重要となります。ミット・ラムニーはこのふたつを持っているわけです。ニュート・ギングリッチがこれらを揃えることが出来るかどうかはまだわかりません。特に彼への支持の上昇はこんな遅くに起こったわけですから。


G:それで、これまでのこの選挙においてもっとも興味深いと思われた事はどういうものだったでしょうか?


T:最初に予想していたことはみな大きく外れてしまったと思います。そしてニュート・ギングリッチの復活はその最たるものだったのじゃないでしょうか。6月の彼からでは、私には彼が未だにこのレースに残っているとは考えられませんでしたし、ましてリードしているとは。そして様々なもたつきですね。これまで共和党のレースは伝統的に戴冠式のようなものでした。選挙の前の年の2月には先頭のものが決まっていたものでした。そしてその人物は、まあなにかの障害があったりはしても、通常、候補としてすぐに選ばれるものでした。今年、我々がみているものはほんとうに非常に違っています。


G:そのことは今の党のリーダーシップについて何を意味しますか?


T:もはや党のリーダーシップなと存在していないということだと思います。党の中でティーパーティーが非常に強力な反対分子として上昇してきて、エスタブリッシュメントと昔からのリーダーシップへの人々の忠誠は以前のようなものではなくなりました。そしてこれはニュート・ギングリッチと、そして、彼が議会に連れてきた歴史的な1994年組にまでそのもとを辿ることが出来ると思います。そしてまたあまりに多くの外部の力が働いています。つまり外部の組織ですが、それらは大概、党のラベルよりイデオロギーにもとづいて動いていて、そして信じられないほど強力なプレイヤーとなって来ました。


G:それでは共和党がその成長を助けたティーパーティー運動が、いまでは党のリーダーシップを阻害するようになったということですか?


T:共和党のエスタブリッシュメントはずっとティーパーティーに対して複雑な感情を持っていたと思います。というのは、その元々の標的の一部は共和党の現職でしたし、党が存在する大きな目的の一つは現職を守ることです。ですがそれはそもそもの最初からティーパーティーが絶対に拒絶していたことでした。


G:ニュート・ギングリッチを知り、もう何年も取材されていますから、あなたの印象をうかがいたいと思います。つまり、彼はどういう人物なんでしょう?彼はアメリカがどうあるべきという理想のビジョンを持ったひとなのか?彼はニュート・ギングリッチの事、つまり、己のエゴと自身の出世の人物なのか?どちらであれそういった極端な見方をする人達がいますが。


T:ニュート・ギングリッチは自分自身の事を歴史的な、さらには変革を起こす人物であるとみなしています。自分の事を深いインテレクチュアルだと考えていて、またそう思うことが彼を力づけていると思います。そしてまた彼は、次から次へとアイデアを持ちだしてはそれに取り組むのが好きな人でもあります。時折、その周りの人達に多大なフラストレーションを引き起こすような。彼が議会にいた時にずっと語られていたジョークがあります。共和党全国委員会には、ニュートのアイデアとラベルのついた大きなファイルキャビネットと、ニュートの良いアイデアとラベルされたマニラ封筒が一つあるというのです。しかし彼は、こういったインテレクチュアルな探求を常に続けるタイプの、そして自分自身についての大きなビジョンを持った人です。つまり、彼は運命が自分にバスの席を残しておいてくれているといつも考えているんです。

*1:にしても、NPRは全放送をオンラインに上げてくれるし、ちゃんとトランスクリプトまで作ってくれるし、ほんとありがたいです。日本のラジオも、せめてNHKくらいはそうしてもいいだろうに。

*2:スターティングメンバーではない、重要ではなかったという事。))から自分のリーダーシップにより下院の奪取に成功したのです。暫くの間、下院はワシントンにおいて非常に重要となったので、アメリカ大統領であったビル・クリントンはプレスカンファレンスにおいて一度、[http://www.pbs.org/wgbh/pages/frontline/shows/clinton/chapters/4.html:title=自分はまだ重要だと述べた]ほどでした。 G:で、ギングリッチはワシントンの権力構造をその中から変えるのに、何をしたのでしょうか? T:勿論、最初に行ったことは自分の政党に権力をもたらしたことです。ですが彼は党を多数派にすると共に、新しいタイプの政治家を連れてきました。党の権力構造からの視線を気にしない、それ以前の政治家よりもラディカルだと自ら述べるような、そして制度への敬意をあまり払わない政治家達です。下院の文化はそれ以来まったく変わってしまったと思います。上院の文化もある程度はそうです。1994年に当選した政治家達の多くが今は上院にいますから。彼らは変化の旗手であったと言うこともできます。ですが一方では、彼らは政治の麻痺の旗手でもありました。 G:ギングリッチの戦術の一つは、民主党のやることをすべて阻止しようとすることでしたね。 T:そうです。彼はとても興味深いアジェンダであった[http://www.house.gov/house/Contract/CONTRACT.html:title=「アメリカとの契約」]と共にやってきました。これには10の法案がありましたが、社会的問題((ゲイだとか、妊娠中絶などの社会・文化的な問題。))にはあまり関わらず、財政均衡や政治家の任期制限といった世論調査で人気の高かった事を取り扱っていました。そして10のうち、たしか9の法律は下院を最初の年に通ったはずです。それらが成立しなかったのは上院においてでした。そしてそれから起こったのがですね、多くの人から現代政治において最も大きな政治上のやり過ぎの一つとみなされていることで、1995年、彼は大規模な減税を実現しようとしましたが、その主な財源はメディケアの大幅なカットでした。これが今では悪名高い1995年末の政府閉鎖につながったのです。 G:ギングリッチとその仲間が予算案を通さずに、政府を閉鎖させたのでしたね。 T:そうです。彼らの減税とメディケアカット案を含まない予算案を通すのを拒否したのです。 G:そしてクリントン大統領のエアフォースワンにおけるギングリッチの恨みの問題もあって。これが政府閉鎖に一役かったそうですが、どういう事だったのでしょう? T:面白い話ですよ。私はギングリッチがそのことについてコメントをした朝食の場にいたのですが... G:どういうコメントですか? T:それはワシントンで彼がレポーター達と持っていたいつもの朝食だったのですが、彼が政府閉鎖について部屋一杯のレポーター達に話しだしたんです。彼がそんな強攻策を取ることにした理由の一つは、イスラエルでの葬式からエアフォースワンで戻ってきた時に、大統領が彼を前の席に座らせてくれなかったからだというのです。ギングリッチがその話をどんどん語り続ける中、彼の報道担当が立ち上がって、部屋の後ろで歩きまわって、タバコをずっとふかしていました。下院議長が自分自身にとっての大きな問題を生み出している事、むしゃくしゃしたので政府を閉鎖させたように見える事を理解してましたからね。ところで、ホワイトハウスは後日、ギングリッチエアフォースワンの中で大統領に話しかけている写真を公表しました。そして確かニューヨーク・デイリー・ニューズは翌日に、今ではクラシックになったギングリッチが泣きわめく幼児となっている漫画を一面にしました。 [f:id:okemos:20111216150728j:image] G:で、彼が下院において行った事のなかには下院の権力構造を変えたことがありますね。彼が委員会を解体し、一部の年長制をなくしたと書かれていました。そういった変化について語ってくれますか。なぜ彼がそうしたのか、そしてその長期的なインパクトはなんだったのか。 T:まず、その目的は権力を下院議長に集めることでした。委員会の委員長の任期を制限することで、委員長が手下を、下院議長ではなく委員長に忠実な議員を増やす力を制約しました。彼はまた下院に他の制度も導入しましたが、それらも下院議長に権力を集める事を目的としていました。[http://en.wikipedia.org/wiki/Sam_Rayburn:title=サム・レイバーン]((1940年代、1950年代に下院議長を務めた民主党議員。

*3:現在の下院議長である共和党議員。

*4:ギングリッチは歴史のPh.Dを持っており、政界に進出する70年代末まで大学で教えていた。

*5:議会やその他の政治関係専門のケーブルテレビ。

*6:どちらも1979年。

*7:1977年から1987年まで下院議長を務めた民主党議員。

*8:ティップ・オニールの後を継いで、1987年から1989年まで下院議長を務めた民主党議員。

*9:Freddie Mac及びFanny Maeはアメリカの政府系住宅融資金融機関。住宅危機発生後、保守派によってスケープゴートにされている。なんでこんな名前なのかは知らない。

*10:すいません、意味がわからなくて、訳せません。"Drill here, drill now"は太陽エネルギーとか環境保全ではなく、石油を掘れ!という石油業界よりの保守派のスローガンですので、American Solutionsが保守派系の組織としてそういう事を主張していたのでしょうが、文全体の意味がわかりません。