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P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

ポール・クルーグマン:経済学者にしてSFファン

クルーグマン SF

久しぶりにクルーグマンの記事を翻訳しました。クルーグマンのネット上での翻訳はoptical Frogさん等々、うまい方が何人も訳されているので俺がやる意味はないと思っていたのですが、今回のは(ちょっとだけ)SF絡みなのでやっておくことにしました(そして短かったし)。元記事はボストン・グローブ紙の書籍セクションの記事で、クルーグマンが新著の販促の為にやってきた際のインタビューのようです*1ただ最後のところとか、ちょっと本好きの為のものとしては悲しいこととなってますが笑
あと、クルーグマンとアシモフの関係については、ネット上でのクルーグマンの翻訳をよく読む人には有名とは思いますが、もしご存じない方がいらっしゃったら、オンライン上のクルーグマン翻訳の元締め*2である山形さん訳のこちらを御覧ください。
追記:コメント欄でAさんからLessingの名前を間違って「レッシグ」にしているという指摘を頂きましたので、「レッシング」に修正しておきました。一応、「レッシング」だとは知ってたのですが...涙。Aさん、ありがとうございました!
 
 
ポール・クルーグマン 経済学者にしてSFファン エイミー・サザーランド 2012年5月6日
ニューヨーク・タイムズでの威勢のいいコラムの演壇より、ポール・クルーグマンは数字がなぜ重要かを1999年から説明してきた。何も恥じるところなきリベラルとしてブッシュ政権を叩いてきたが、オバマ政権についてもけっして大目にみることはなかった。彼の新著End This Depression Nowはこの事をはっきり示している。このノーベル賞受賞者がHarvard Book Store主催で、チケットはすでに完売のイベントのために月曜夜に街*3やってきたやってくる。
Books: 今はなにを読んでられますか?クルーグマン: ガジェット上のものです。キンドルとiPadを持っているので、それらでいくつかを並行して読んでますね。ロジャー・クロウリー(Roger Crowley)のCity of Fortuneこれはベニスとそれがもっとも栄えた世紀についてのものです。デビッド・マックロー(David McCullough)のThe Greater Journeyも読んでますが、これは19世紀に海外へ赴いたアメリカ人についてです。面白いんですが、なぜか少しずつしか読めないんですよね。エイドリアン・ゴールドワーシー(Adrian Goldworthy)のCaesarも読んでます。ここ何年かローマについてのものを何冊か読んでいて、トム・ホランド(Tom Holland)のルビコンもその内の一冊ですが、これはローマ共和国の崩壊についてのものです。書店で見つけたんですが、電子書籍の問題は、探している本は必ず見つかるのに、探していないものを見つけるには書店に行かなきゃならないってことですね。
Books: 他には何を読んでられますか?
クルーグマン: ケン・マクラウド(Ken MacLeod)のThe Restoration Gameを読んだところですが、非常に面白かったです。それからアイザック・アシモフのファウンデーション3部作を読みなおしています。新しい版にイントロダクションを書くことになっているので。楽しみと仕事の両方です。Books: その3部作があなたの礎となったんですよね?クルーグマン: 最初に読んだのはティーンエージャーだった時です。本当に心理歴史学者には感銘をうけました。統計と社会科学で未来を予測するんです。フィクションだってことはわかってましたが、それでも衝撃だったのは人々がどう行動するかについての科学は重要足りえるという認識でした。そういうことができる人間の一人になりたかったんです。Books: 他にお好きなサイ・ファイ小説はどんなものですか?クルーグマン: 去年、フランク・ハバードのデューンを読み直しましたよ。いまだにすごい本でした。その続編は好きじゃないのがいくつもあるんですが、それでも私が「デューン」を読み直したのは、これがはっきりとビジョンを持った人間によって書かれた本だということです。Books: サイエンス・フィクションについての好みは時と共に変わってきましたか?クルーグマン: 昔ながらのスペースオペラはそれほど好きじゃなくなりました。今のものでほんとに好きなものというのはあまりないですね。好きな作家は、だいたいスコットランド人かイギリス人のようです。たとえば、イアン・バンクス、チャーリー・ストロス、そしてマクラウドとか。Books: お仕事では何を読まれてますか?クルーグマン: 毎朝ニューヨーク・タイムズファイナンシャル・タイムズ幾つかの金融系のニュースサイト、そしていくつかの経済ブログです。こういったものはものすごく栄えてますよ。経済危機は経済の分析にとっては本当に好機でしたから。Books: 一般の読者にはそれらのブログのうち、どれを薦めますか?クルーグマン: The Economist’s Viewは、(いろいろなブログやニュースサイトから)読む価値ある記事をセレクトしているブログです。ワシントン・モンスリーのブログは、今起こっていることを知るのに役立ちます。
Books: あなたの猫のうちの一匹は、ドリスレッシグレッシング(Doris Lessing)という名前ですね。ご家族のどなたがファンなんですか?クルーグマン: 私です。黄金のノートは確か20代で読みました。マーサ・クエストのシリーズは全部読みました。変な話ですが、彼女のサイエンス・フィクションは読んだことがないんですけどね。Books: 他にはどんな作家がお好きですか?クルーグマン: 新しい小説で?*4もっと読まなきゃならないと思っているのですが、しかし、読んでません。小説にはそんなにはまったことがないのです。多分、もったいないことをしているんでしょうが、歳を取ってくると慣れたところから出たくはなくなるもので。そしてもう、読書は私にとってあまり逃避の手段ではなくなっているんです。とくにYouTubeでコンサートを見つけることを覚えてからは。座って考えるわけです、「本が読みたいのか、それとも1993年のピーター・ガブリエルのコンサートを見たいのか?」って。そしてピーター・ガブリエルが見たいわけです。

*1:いや、[http://krugman.blogs.nytimes.com/2012/05/07/electronica/:title=5月7日のブログポスト]で[]ハーバードスクエアでのイベントの為にボストンへ向っていると書いていますから、このインタビューの時点では「来ることになっている」というのが正解なのかもしれません。[]

*2:[]最初は「オン/オフライン両方で」と書いてましたが、調べてみたらオフラインではさすがにそこまで書くと他の翻訳者の方に失礼かなと思いましたのでやめておきました。とはいえそれでも多いですし、目立ってますが。[]

*3:ボストン?ケンブリッジ?

*4:[]原文"Novel Novels?"。ここはもしかしたら「新しい長編小説で?」と訳すのが適切だったかもしれませんが、はっきりしないので、短い方をとりました。[]