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P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

2012年アメリカ大統領選、関係者の発言

さてご存知のように一ヵ月前に2012年のアメリカ大統領選は終わりまして、オバマの勝利となりました。その選挙で各陣営の参謀として働いた人たちが選挙についての分析を語り合うコンファレンスが11月29日にハーバード大学で行われたそうです。これは1972年以後のすべての大統領選後に行われてきたものだそうで、共和党の予備選・党大会、民主党の予備選・党大会、そして一般選挙などについて内部の人たちが語り合うコンファレンスということです。こういう事をちゃんとやっているのは、アメリカの偉いとこだなぁと感心します。
上のリンク先でそのコンファレンスの音声データが聞けるのですが、なにしろ全部で7時間くらいありますから*1、その全てを聞く気にはなりません。ですがそのコンファレンスでの発言を簡単に紹介したブログ記事がありましたので訳してみました。
ただし元記事の最後の段落は、コンファレンスの終盤で停電が発生、建物を退去することになるまで暗闇の中で発言が続けられたとあるだけなので、訳していません。
もしなにか誤訳などがありましたら、コメント欄によろしくお願いします。
追記:lakehillさんに最後の段落での誤訳を指摘していただきましたので、修正しました。lakehillさん、ありがとうございます。
 
移民へのスタンスを後悔とラムニー陣営マネージャー 2012年12月3日 ジェフ・ゼレニー
マサチューセッツ州ケンブリッジ 
ミット・ラムニーと彼のチームは長々と後悔したくはないようだ。しかし彼の選挙マネージャーは、共和党予備選における移民への強硬姿勢が、一般選挙でのラテン系有権者に対するやっかいなダメージをもたらしたと述べている。
2012年の選挙での各陣営のアドバイザーたちが集まって選挙について議論したハーバード大学のInstitute of Politicsでのフォーラムにおいて、ラムニー陣営のトップであったマット・ローデス(Matt Rhoades)はこの点を認めた。
予備選で保守派有権者へアピールする為に移民について右旋回したことをラムニー氏が後悔しているのかとダイレクトに訊ねられた時、会場が沈黙につつまれた。
ラムニー氏の上級ストラテジストであったスチュアート・スティーブンスは首を振って否定した。しかし何秒か沈黙した後、ローデス氏は、「私はそれを後悔している」と述べた。
さらに氏は、振り返ってみるとラムニー陣営は、テキサスのリック・ペリー知事の潜在的な脅威について心配しすぎていたと説明した。ペリー氏は選挙戦へ飛び込んできて、雇用と経済の候補としてのラムニー氏に挑戦した。2011年秋の数週間、ラムニー氏はペリー氏を社会保障について、特にペリー氏が社会保障プログラムを「ポンジースキーム*2」と呼び、各州政府によって管理されるべきだとしたことを攻撃した。
「振り返ってみると」、とローデス氏、「ペリー知事は社会保障への攻撃だけでおそらく倒すことができたと思う」。
選挙から一ヶ月が経ったが、両方の党のアドバイザーたちはまだ、選挙人数で332対206となったオバマ大統領の勝利を研究している。その検討の一つが、先週、ハーバード大学にて行われた。1972年以来のすべての大統領選の後、ストラテジスト達は集まってコンファレンスを開いてきた。
オーガナイザーがそのフォーラムの記録を月曜日に公開してそこでの発言が明らかとなったが、その議論の影のテーマは共和党の将来であり、ラムニー氏がオバマ氏へ大きく負け越したヒスパニック有権者に対して共和党がどうやってそのアピールを広めるのかというものであった。
その他の重要な発言をいくつかあげておく。
・ラムニー氏の困難は9月に訪れた。5月のファンドライジングでのラムニー氏の発言が公開され、アメリカ人の47%は自分たちを犠牲者だとみなして政府に頼っているという彼の不愛想な発言が明らかになったのだ。ボストンのラムニー陣営内部の内紛の報道について、ローデス氏はラムニー候補が責を認めたと語った。
「我々の陣営全体には多くのネガティブなところがあったが、しかし彼は自分の責任はとる人物だ」とローデス氏は語った。「彼はこう言った。『君が47%と言ったわけじゃないよ、マット。スチュアートが47%と言ったのでもない。私が言ったんだ』」。
・シカゴのオバマ陣営本部では、アドバイザーたちが共和党候補たちをランク付けしていた。ラムニー氏は常に共和党候補としてもっともありそうだと見なされていた。下院議長であったニュート・ギングリッチや、ペンシルバニア州選出の上院議員であったリック・サントラム相手に苦戦していた時でもだ。
「毎週金曜にランク付けをしていたが」、と大統領の選挙マネージャーだったジム・メッシーナが語った。「ラムニーはいつでもトップだった」。
・2月に、大統領は「スーパーPAC」への長きに渡る個人的な反対を飲み込んで、裕福な民主党献金者に、資金面での深刻な不利を訴えるようになった*3。この判断は遅すぎたと、オバマ氏へのアドバイザーたちは語った。
「スーパーPACの世界へ飛び込むのに、あまりに長く待ちすぎた」とメッシーナ氏は語った。「始めた時には、追われて豹変したように見えてしまった」
・選挙当日が近づいてくる中、ラムニー陣営の大半のアドバイザーたちは彼らが勝つと信じていたと語った。ただAmerican Crossroadという保守派団体*4のpresidentであるスティーブン・J・ロウだけは違って、「信じていなかった」と断言した。彼はラムニー氏がオバマ氏には追いつけないだろうと思っていたと述べ、ヴァージニア、フロリダ、そしてノース・カロライナにおいて、「勝てると思えたことはなかった」*5と語った。
・共和党副大統領候補としてのウィスコンシンのポール・D・ライアン下院議員の選択はオバマ陣営を驚かせた。ミネソタ州元知事であったティム・ポーレンティか、オハイオのロブ・ポートマン上院議員が選ばれると予想していたのだ。ライアン氏という選択は、ラムニー氏と上手くやっていけるかの判断に基づいたもので、政治的な判断ではなかったとアドバイザーたちは語った。
「ライアン下院議員の選択は政治的な選択ではなかった」とスティーブンス氏。
・ラムニー陣営の支持率調査のトップであったネイル・ニューハウスは、ラムニー陣営が投票者の構成に不意を討たれたと述べた。彼は、「われわれ側の隠れた真の物語は」、オハイオのようないくつかの重要な州の選挙での投票しなかった白人男性層の数だったと語った。
「負けた時には、いろいろ数字のあら捜しを行ったりするものだが」とニューハウス氏。「四年前と比べて、投票しなかった白人男性と比べて、今回の選挙で投票しなかった白人男性の数は異常なものだった」「今回の選挙で投票しなかった白人男性の数の(投票しなかった)白人女性に対する比率は、四年前と比べて異常なものだった」

*1:前日の28日に行われたレセプションの分は除いて。

*2:ねずみ講の意味。

*3:共和党の為にはいろんな金持ちやアメリカ商工会議所などがスーパーPACを作っていたので、不利な状況だと民主党支持者に支援を求めたわけ。

*4:ブッシュのアドバイザーだったカール・ローブのスーパーPACで、保守派の金持から資金をあつめて3億ドル以上を各種共和党候補の為に費やしたが、大敗することとなった。

*5:原文: he "could never get over the lip"。