P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

映画「サケボム」

新宿のシネマカリテの【カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション(カリコレ)2014】というのでかかっているのを鑑賞。酒造会社で働いている(というか一週間後に次期社長となる)日本人青年が、アメリカにいきなり帰国したかつての英語教師の女性に焦がれてアメリカにいって、親戚である日系アメリカ人の青年と旅をするという作品。


映画『サケボム』予告編 - YouTube
主演が濱田岳と、その親戚であるセバスチャンという名の日系アメリカ人役の男性。このセバスチャンが、なんでアジア系の女は白人とばかり付き合うんだ!とか愚痴るというのを映画秘宝で読んで、非モテかつ以前アメリカに留学していた身として、そういう恨みつらみ妬みには共感するところなので観に行ったわけなんですが、まあ正直イマイチでした。

セバスチャンの日系アメリカ人としての白人コンプレックスがそもそも観に行く理由だったのですが、観に行ってみればみたで、この僻みで口ばかり立つ、そのくせ自分より下と見たら尊大なダメ男がほんといかにもアメリカンなダメな奴で、全然共感できませんでした。劇中、このセバスチャンに白人好きだとかあーだこーだ言われたアジア系女性が、「そうよ、あたし達アジア女はドンドン白人男とくっついてバンバン子供産んでいって、てめーら短小男どもを絶滅させてやりたいのよ!」(これで大意)と早口でまくしたてるシーンが一番面白かったかな。

主人公二人のうちの一人にはこのように好感がもてなかったのですが、もう一人、濱田岳が演じる役は良いやつで...と言いたいのですが、そして「良いやつ」の役では確かにありましたが、純朴な良いやつ過ぎて、劇中にDQN系白人男から言われるようにこの役が白痴に見えてきました。見た目ダッサイのは好感もてますが、スマホをろくに知らず動画を撮れる事に驚いたり、SNSを知らなかったり*1と、IT系についてあまりに無知。この主人公のこういった無知は一応、ラストのサプライズを増す役割を意図しているのかもですが、ここまで極端でなくてもラストには全然問題無いと思うし、ラスト以前においては変な雑音を増しているだけじゃないでしょうか?さらに付け加えて喋りがたどたどしいのですが、これが別に英語で喋るからだけではない設定のようで、なんかもう途中から見てるのが苦痛にすらなってきました。いや、正確にいえば、外見のダサさと(英語での)喋りのたどたどしさ、ずっとヘラヘラスマイルなところとかに、留学中の自分はアメリカ人からはこう見えているのではという恐怖に襲われてしまったのです*2

こういう個人的な理由やら、他にも色々気になるところがあって俺はダメだったのですが、まあでも非モテの恨みつらみで観に行こうと思ったそもそもの発端が間違っていたのかも知れません。アジア系男性はモテないとかセバスチャンが愚痴ってましたが、筋肉と積極性があれば英語が話せなくても白人女性にモテるという事をアメリカで実証し続けていた日本男児も留学中に知っていましたから。彼はいま、どうしているのかなぁ...

*1:でてくるSNSは明らかにフェイスブックのデザインを模しているのだけど、そのサイト名がwww.socialnetworksite.comと直球すぎてビックリした。

*2:当然、身に覚えはある。