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P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

「白鯨との闘い」と「ブラック・スキャンダル」

映画評

ちょっとわけあって時間ができたので以前から気になっていた二本の映画を観てきました。
 
一本目は、予告編を観て怪獣モノなのか?とワクテカしてたのに実は怪獣モノじゃなかった「白鯨との闘い」です。
 

『白鯨との闘い』予告
 
監督ロン・ハワードで、主演がクリス・ヘムズワース。19世紀初めが舞台の映画なのですが、ヘムズワースの見た目がまさにクラシカルな「漢」という感じでカッコ良かったです。予告編でも語られている通り、ハーマン・メルヴィルの「白鯨」のネタ元の一つである、マッコウクジラによって捕鯨船が沈没させられた事件を映画化したという設定。フィクションなので一杯脚色が入っているはずですが、一応ルーズに事実に基づいたものなので、「白鯨との闘い」という邦題から想像されるアクションもののようなアガる結末はつきません。原題が"In the Heart of the Sea"、「海のまっただ中で」みたいな感じであり、もともとの邦題も「白鯨のいた海」というものだったようですが、これらのタイトルの方がちゃんと内容を表しています。怪獣アクションものではなくて(当然だろというツッコミは全て却下です)、白鯨によって「自然」の中に放り込まれた人間たちの漂流サバイバルものでした。なので予告編のイメージで観に行くとちょっと肩透かしっぽくなるのですが、しかしそれでもいい映画でした。正直、主人公であるクリス・ヘムズワース以外のキャラクター達は全くたっていないと思いますが、陸の上以外のシーン、とくに船と鯨のシーンは観てるだけで楽しいです。
 
この作品内での捕鯨は油を取る為のものなのですが、この19世紀初めの世界は「油を取りに海に漁へ行く」世界であり、「油が地面から出てくる」世界ではないので、まるで異世界物のような感じすらあります。その中で白鯨は巨大な世界が少しだけ覗かせた顔のような存在となっていて、主人公が直面する世界を表してくれます。船が沈み漂流が始まった以降の後半はそれほど面白くは無いのですが、しかし最後の対面のシーンの絶望感は良かったです。
 
二本目は、映画のポスターを見て、
ブラック・スキャンダル (角川文庫)
お、これは!と惹かれていた「ブラック・スキャンダル」です(上のはそのポスターを利用した書籍の表紙ですが)。

映画『ブラック・スキャンダル』本編映像
監督スコット・クーパーで、主演がジョニー・デップケヴィン・ベーコンもなぜだかこの映画にそんなに美味しい役でもないのに脇で出てきます。
 
ボストンのアイリッシュ系ギャングもので、ギャングのボスと、ボスの弟の政治家、そして彼らの幼なじみであるFBI捜査官の繋がりを描いた、こちらもBased-on-True-Story系の映画です。ポスター左の関西芸人さんみたいなのがFBI捜査官、右のベネディクト・カンバーバッチが政治家、そして真ん中のザ・「チンピラの兄貴」みたいなハゲのオッサンがボスでなんとジョニー・デップです。ギャングのボスというより、日本の感覚だとほんとにチンピラみたいな感じですが、映画で見るボストンのアイリッシュ系ギャングのボスはこういう見た目ばかりですね。ジョニー・ザ・ハゲ・デップは確か「ラスベガスをやっつけろ

ラスベガスをやっつけろ [Blu-ray]

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でもやっていたはずですが、シュールなコメディ調だったラスベガスに対してこっちはハゲでもシリアスです。あんまりにも怖めに決めてるのでギャングのボスというより吸血鬼のようにすら見えるところもある程なんですが、観ている間、このジョニー・デップに対する違和感をずっと感じていて、正直、あまりのこめり込めませんでした。自分でも驚いたんですが、この映画を観ていた感じたのが「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの強さ。別にジョニー・デップのファンでもないし、まして「パイレーツ」シリーズが好きなわけでもないのに、ジョニー・デップがシリアスな声で話していてもその声を聴くとなぜだがジャック・スパロウ船長が出てきそうな気がして仕方がなかったです。あの声でかつハゲなのに、シリアスやられても違和感しか無いよ!!