読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

ドナルド・トランプ、ローリング・ストーンズ:世界は無情であり、望みが叶う事はない...はず

トランプその副大統領候補としてインディアナ州のマーク・ペンス知事を選び全米へ向けて紹介しました。

www3.nhk.or.jp

このNHKの記事を読む限り、この紹介は大統領選の中でのごくありきたりの政治イベントの一つであった様に読めますが、エズラ・クレインのこの記事によると、実はこの紹介はトランプですらいつの間にか当たり前の様に思えてきている昨今にトランプが新たに放り込んできた新鮮な驚きであり、トランプが大統領になるべきではないまた一つの理由なのだそうです。要するに、自分を補佐する候補という他者が主役であるはずの場でまた強烈にトランプのナルシーぶりが発揮されたという事です。
 

Donald Trump introduces Gov. Mike Pence as running mate
 
41分ある副大統領候補としてのマーク・ペンス紹介のイベントのビデオですが、そのうちマーク・ペンスが話しているのが28分40秒くらいから40分40秒くらいまでの12分ほど。残りの30分程の時間のうち約28分間、ドナルド・トランプ自分の事を喋りまくります。
 
マーク・ペンスを紹介する為のトランプのスピーチのはずなのですが、いかにヒラリー・クリントンが悪人かの大説教。マーク・ペンスの名前は時々出てくるのですが、そのたびにBrexitやらラディカル・イスラムについて自分がいかに聡明で正しかったかの話に脱線。ようやくマーク・ペンスについて語り始めだしたら、「彼を選んだのは、正直言って共和党の結束のため」とあんまりマーク・ペンス本人が嬉しいとは思えない事を口ばしったその口でそのまま、自分がいかに共和党エスタブリッシュメント層をぶちのめしたか、予備選ではブッシュは勿論、共和党の聖人と化しているロナルド・レーガンをも超える1400万票をいかに自分が得たかとか、とにかく良い悪いはともかく共和党エスタブリッシュメント層を更に怒らせるだけの事ばかり話し続けます。終盤、ついにマーク・ペンスについてその名前以上の情報を、エズラ・クラインが言うにはWikipediaを読み上げているように話しだしても、マーク・ペンスが知事を務めるインディアナ州は何かのランキングで中西部で1位とか、別の何かのランキングで2位だとか、なんというかイマイチインパクトに欠けるような事を語りだす...とか思ってたらインディアナ州のインフラがランキング一位に選ばれたという話から、自分のワシントンDCのホテルが如何に予算内で出来上がっていて素晴らしいかを話しだす始末!大統領選で自分のビジネスの宣伝!
 
そして28分間のいかに自分が凄いかというトランプの話の後、ようやくマーク・ペンス本人が登場すると、自分の補佐としての彼を紹介する為の彼が主役であり、かつトランプとマーク・ペンスの間の良好な関係を見せる為のイベントなのにマーク・ペンスの隣で立っていたりせずに、さっさと舞台から去ってしまう...自分の話以外には興味ないんだろうしね。うん、すげーよ、トランプ、あんたほんとのナルシーだよ!
 
というトランプがいかに通常の政治の作法に縛られていない、彼自身がよく述べているアウトサイダーであるかを証明するイベントだったわけです。なんというか、

消して譲れないぜ この美学
ナニモノにも媚びず 己を磨く

の政治における体現者な気がしますが、このイベントが始まるまで会場で流されていたのはT-Boyイズム、ではなくて、ローリング・ストーンズの曲だったそうです。その曲とは、邦題「無情の世界」こと"You Can't Always Get What You Want"(望みが常に叶うわけじゃない)...
 

The Rolling Stones - You Can't Always Get What You Want (Live) - OFFICIAL
 
実はトランプはマーク・ペンスの選択に不満があるそうなのですが、この曲のチョイスがその事以上の予言でありますように...(って書いてるこの望みが叶わない未来もあるかもしれないですが。)