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P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

「ゴッド・ガン」

SF 読書

日本SFにはいくつもの素晴らしい「タイトル」がありますが、その幾多のタイトルの中でも燦然と輝くタイトル「神狩り」は、山田正紀によるタイトル通り「神」を狩り殺そうとする人間たちの話であり、日本SF史に残るような素晴らしい書き出しから始まる作品です。そして残念ながら尻すぼみに終わる長編作品でした*1バリントン・J・ベイリーの「ゴッド・ガン」は、ちょっとマヌケなタイトルと、悪くはないが凄くもない印象の書き出しから始まる短編ですが、こっちはマジで神を殺します。

オフビートなユーモア奇想SFですが、明白なギャグSFでも、複数の神々がいる世界の話でもなく、唯一神が存在してそれが理屈ありで殺されてしまう作品って他にあるんでしょうか?思いつきませんが*2。この流石はバリトン・J・ベイリーという作品を表題作とした短編集が、

です。表題作が一番頭に収録されてもいるので如何にもベイリーという感じで始まる短編集なのですが、それが段々ベイリーとしては想像していなかったタイプの作品が出てきます。たとえば「災厄の船」の様な。ただあくまでベイリー作としては想像しなかった様なタイプという事ですし、また一面、ベイリーぽくは無いがこういうのを心の中にやっぱり抱えていたのかと合点がいく事もあります。「蟹は試してみなきゃいけない」のように。収録作はみんな良かったですが、一番心に刺さったのはこの「蟹は...」でした。だって、SFファンは、そしてSF作家は、どうせ非モテなんだから!*3

*1:「神狩り2」は未読。

*2:とはいえ、実は多分あるんだろうなとは思います。世界は広く、SFは深いですから。

*3:まあ世の中は広いし、SF界は深いので、ニール・ゲイマンみたいにそうでもない人もいるらしいですが、俺の精神安定の為にこう仮定しておきましょう。