P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

"Spiders" Sue Burke, Asimov's SF, March 2008
どこかの惑星での殖民コロニーでの父と小さな息子の裏山への散策の話。短編なのでほんとにそれだけ。こういう特に波乱のない物語を英語で読むのはあんまり得意じゃない(日本語でもそうだけど)。飽きちゃうし、そういうものって文章の細かいところをちゃんと組んでいかなきゃならいから。その俺が、短編だったのもあるとはいえ、すらすら読めたんだから、きっとそれなりにうまいんでしょう。でも、特に面白いかというと、うーん。なんつーか、チェーン店でのご飯みたいなもので、まずくはないが。でもこれは明らかに好みもあることだし、読んでる間はそれなりによかったから悪く言うつもりはないが。ただ、オチとか読むと、ちょっと考えてしまう。一応短編でもあるので、ちょっとオチが最後にあるんだけど、これ、俺の理解が正しいなら、全然SFではない、とわざわざ書くのも馬鹿馬鹿しいくらいSFではない。普通の小説でもまったく同様なのができるのじゃない?って感じ。こういう「SF小説」を読んでたつもりなのに普通小説でした、ってのはラーメン屋に入ってラーメン頼んだのに出てきたのはソーメンでしたって感じで...まあうまけりゃいいだろってのは確かにある。この短編も別にまずくはなかったし。ただ昼にはやっぱりラーメンを食いたいなと思って頼んだのに、うまけりゃソーメンでもいいだろ、ってのはどうなんだ?地球外惑星の殖民コロニーが舞台だとしても、だったら俺は「血を分けた子供」が読みたいわけですよ(と思って「血を分けた子供」を検索したら、水鏡子さんがこの作品をつまらないと言っているのを発見してしまった。ショック!)
まあとにかく、それなりに読める普通の小説でした。とか書いておいて実はSF的仕掛けを俺が読み逃しただけって可能性もあるのが...まあ、そういう可能性は今は無視。