P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

「・・・ごめんなさい。こういう時、どういう顔をすればいいのか、分からないの」 「アホの坂田の顔すればいいと思うよ」

"Electoral competition with privately-informed candidates" Dan Bernhardt, John Duggan, Francesco Squintani, Games and Economic Behavior, vol.58 (2007), pp.1-28

きっと俺の頭が悪いからなんだろうけど、こういう非常に数学的にテクニカルな論文って、どうしたら良いのかわからないなぁ。

2政党間のElectoral Competitionモデルで、median voterの選好に関して不確実性があり、各政党はそれに関してシグナルを受け取って、それに基づいて選挙公約を決定するという、アペンディクスに小さいフォントで記号が羅列されている論文。一応がんばって目は通したけど、正直、興味が持てない。昔は数学多用の論文ももっとがんばって読もうとしてたんだけど。Probabilistic Votingモデルの拡張という事になるのだろうが、単純に自分が興味を持っていない事に数学的に労力がつぎ込まれている論文は読むのが辛い。なら読むなということなんだけど、つい最近、Electoral Competitionの論文はできる限り読んでいこうと決めたところなので、「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ」と...
でも思うのだが、すくなくとも1期間モデルで基本的に政党間に違いのないこういうモデルってどうなんだろう?この論文では各政党は異なるシグナルを受け取ってそれに基づいてMedian Voterの選好に関して異なった予測を立てたりもするのだけど、シグナルを受け取る前は同じ状況だし(まあ、それなりな異なる状況になるような拡張は可能なのかも知れないが)。何かが言いたいのかというと、政党ごとの政策の選好の違いとか、もしくはValenceとか、仮定でかそれとも結果としてか、とにかく政党間の違いがないElectoral Competitionモデルって、物足りない(上にも書いたように、正確にいうと異なるシグナルによって政党間に違いは生まれるわけなんだが)。勿論これは俺の好みなだけだし、じゃあお前がこんな論文を書けるのかといわれたら、ごめんなさいして逃げるしかないのだけれど。