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政治、経済、そしてScience Fiction

マンキュー:連銀はどうすべきか?

ここで予告していたマンキューのアメリカのデフレ対策についてのエントリーです。でも、結局...
連銀はどうするべきか?  グレッグ・マンキュー 2008年11月20日


このポール・クルーグマンからの図は非常に心配なものだ。これは20年ものTIPSと20年もの財務証券の利子率の差を予想インフレ率として、社債実質金利を図にしている。
連銀は景気が悪化すると実質利子率を下げるという事になっているが、実際にはその反対が起こっている。問題は、すでにフェデラル・ファンド・レートの下限であるゼロのすぐ近くにあるのに、融資リスクへの心配は増加しており、そして予想インフレ率が低下している事だ。実際、昨日指摘したように、デフレへの心配が大きくなっている。
では、連銀は何をするべきだろうか(祈る以外に)?予想の操作が鍵となる。
アイデアはこうだ。連銀はフェデラル・ファンド・レートをもう一度、たとえば、25ベーシスポイントまで下げる。同時に、そしてこれがより重要だが、連銀はコアの消費者物価(食料品とエネルギーを除いた消費財についての物価)で計った物価レベルについてのターゲットパスを告知するのだ。その物価のパスは、たとえば、年率2,3%といったところだろうか。連銀は今後12ヶ月間、フェド・ファンド・レートを上げないと公約する。その後も、物価がターゲットパスを大幅に下回って間はずっとファンド・レートをその低率に固定する。
公約の信頼性が最重要事項だ。長期の実質利子率を下げるには、連銀はデフレと激しく戦うという事、そしてもしデフレが起こったなら連銀はすぐさまインフレを引き起こしてそれを反転させるのだという事を市場に納得させなければならない。デフレが起こっても物価をその後反転上昇させるという信頼性のある公約が、長期のインフレ期待を連銀の物価パスが求めるインフレ率近くに安定させる。マネタリー経済学者(訳注:"monetary economists"って何て訳せばいいのでしょう?貨幣経済学者?マネタリストの事ではないと思いますが...)ならこれがインフレ・ターゲッティングではなく、物価レベルについてのターゲッティングの政策である事をわかるだろう。
連銀によるこの告知が必要な信頼性を持つだろうか?この通貨政策は深刻な景気後退を防ぐのに十分だろうか?それはわからない。そこは祈らなければならないところだ。