アメリカ民主党予備選モデルと、早いこと終わってくれという事
クルーグマンのブログ記事で、政治学者のAlan Abramowitzによる民主党予備選のモデルが紹介されていました。
これはヒラリー・クリントンの民主党予備選での得票率を、民主党員の比率、アフリカ系アメリカ人の比率、そして南部州かどうかの3変数で回帰したものです。3変数についての出口調査のデータがそろっている州からサンダースの地元であるヴァーモント州を除いた19州の予備選のデータから、下のような結果になったそうです。
クリントン = 4.637 + 11.571南部 + 0.217アフリカ系アメリカ人 + 0.572民主党員
(15.844) (2.727) (0.104) (0.238)
R² = 0.899 [係数下の(...)は標準誤差です]
そして、このモデルからの予測と実際の数字を比べたのが下のグラフです。
横軸がモデルからの予測で縦軸が実際の数値です。R²の数値からして当然ですが、非常に当てはまりが良いですね。
これから言えることは、クリントンは南部で、アフリカ系アメリカ人の比率が高く、民主党員比率の高いところ*1で強いという事。クリントンが非白人層からの支持率が高い民主党のエスタブリッシュメント候補だという事からして当然でしょう。サンダースはその逆で、非南部州、白人、非党員に強いわけですが、これもサンダースが若い白人リベラル層に強いという事からして当然。そして更にこれから出てくるのが、ここしばらくサンダースの勝利が続いていましたが、それは別にサンダースの勢いがどうこうという事ではなくて、サンダースに有利な条件を満たす州での予備選がしばらく続いていただけだったということです。
さて、アメリカ時間の26日に次の民主党予備選が5つの州で行われますが、このモデルと2008年での出口調査の数字を使っての結果予測が下の表になります。
ロードアイランド以外の5州でクリントン勝利の予想。まあ、8年前の数字からの変化がどれくらいかとかありますし、コネチカットの52%はノイズに飲み込まれて逆転してもおかしくはないとかありますが、26日の民主党予備選でクリントン有利なのは間違いでしょう。
ということで、民主党ではクリントン勝利はほぼ間違いないところなので、サンダース陣営や支持者には"Bernie or Bust"とか言いながらクリントン・ディスをしたりせずに、早いこと11月の本選に備えてほしいです。というか、内戦は止めようよ!
*1:予備選のシステムは各州ごとでバラバラで、党員しか投票できない州もあれば、非党員も投票できる州もあったりします。