P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

「バクラウ 地図から消された村」

ブラジルからの変わった映画です。ジャンル的な要素がありつつもどのジャンル映画にも綺麗に収まらないタイプの映画が好きならお勧めです。
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監督:クレベール・メンドンサ・フィリオ、ジュリアノ・ドネルス
脚本:クレベール・メンドンサ・フィリオ、ジュリアノ・ドネルス
出演:ソニア・ブラガ、ウド・キア
 

あらすじ:ブラジルの田舎の小村バクラウが地図から消えてしまう。さらに空飛ぶ円盤が目撃され、そして残酷に殺された死体が発見される…

 
感想:正直に言いますけど、これは勘違いで観に行った作品でした。上のあらすじで書いたような事だけを聴いて、勝手にSFかSF的な寓話なんだろうと考えたわけです。ちらっとポスターは見たんですが、
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思い込みがあったのでちゃんと考えなかったですね。SFかそれに類する映画はできるだけ観に行く事にしているので観に行ったわけですが、全然違うタイプの映画でした。以下、ネタバレ満載を含む感想です。 


「あ、ありのまま観たものの事を話すぜ。おれはSFだと思って観に行ったと思ったら、いつのまにか人間狩りものと狂った村ものの合体を観ていた!しかも最後にまた別の映画が!」 
つまりSFではなくて、人間の狂気が別の狂気とぶつかる映画でした。面白いです。上のポスターをよく見ていたら気がついていたとは思うんですが、ちゃんと見てなかっんですよねぇ。でもまあちゃんと見なくてSFだろうと思ったから観に行って結果面白かったので結果オーライでしょうか。
 
ワイルド・スピードシリーズのブラジルが舞台の1作で敵側のアメリカ人が暴力に訴えようとしたところ周りのブラジル人達が銃をとりだして銃に取り囲まれる事になってしまい、主役のヴィン・ディーゼルが「ジス・イズ・ブラジール!」と叫ぶシーンがありましたが、殺人によってストレスを晴らすなり成長を求めるというようなアメリカ人達(映画「ホステル」のあの連中みたいな奴らでしょう)の標的に選ばれた村が、実はそういうジス・イズ・ブラジール!な村だったという。村側も含めてろくでもない人達が多い作品ですが、襲ってくるアメリカ人達がクソなので反撃サイコー!となります。
 
という事で、最終的にはアクションものに入るわけですが単純なジャンル物には収まらない映画で、実際中盤まではアクション映画とは思えない田舎の村の描写が続きます。そういうかなり奇妙な感じではあっても退屈そうな村が襲ってきた傲慢なアメリカ人達を驚かせてしまうというのが、それはそれで歪な愛国心なのかなぁとなる映画でした。