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P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

クルーグマン:安らかなれ、ポール・サミュエルソン

一つまえのエントリーで載せたクルーグマンのブログポストの翻訳。

確か京大の根井先生(だったかな?)が1990年代の著作のなかで、最近の学部学生はサミュエルソンの事をしらない、とか書かれていたけれど、院に行くとほとんどどの応用の分野でも基礎文献にサミュエルソンがあるので嫌でも名前を覚えることになるんですよね。あとかっこつけて夏休みに「経済分析の基礎」に手を出してみたが読めなかった学部学生とかにもって、俺じゃん!


安らかなれ、ポール・サミュエルソン  ポール・クルーグマン 2009年12月13日
ああ...ポール・サミュエルソンが亡くなった。彼の人生は長く、恵まれたものだったが、しかしそれでも非常に惜しまれる。
サミュエルソンの偉大さを完全に伝えるのは難しいことだ。ほとんどの経済学者は画期的な論文、何かの問題についての人々の考え方を根本的に変えてしまうような論文を一つでも書けたらと願うものだが、サミュエルソンはそれを何十となく書いたのだ:国際貿易から、金融、成長論、投機、そして、その他なんについてであれ我々の知っている事の基礎には、何世代もの学者達の方向性を決定したサミュエルソンのキーとなる論文があるのだ。
ロビン・ウェルズ*1と私が経済学の入門教科書を書く時にやった事の一つに、サミュエルソンの教科書*2のオリジナルの1948年版、一冊手に入れて調べる事だった。それは並外れた著作だった。判りやすく、へり下りはしないのにとっつきやすい。そして非常に洞察に満ちている。投機と金融政策に関する彼の議論は特にすばらしいものだ。それらは、ほんの数年前まで教えられていた事の大半*3に真っ向から反しているが、しかしこの現在の危機においてその正しさを示している。そしてまた、勿論、かれはアメリカにケインズ経済学を真にもたらした人なのだ、の時にケインズ経済学--かつて以上に重要に感じられる貢献だ。
真に偉大な人物の思い出を称えようではないか。

アップデート:私のオフィスからの眺め。先週のもの。(訳注:真ん中下に写っているでっかい本が、サミュエルソンの「経済学」1948年版。)

*1:クルーグマンの妻。

*2:非常に有名な、あるいはだった、かな?の経済学教科書。初期の頃は、ケインジアン経済学伝道の書の役割も果たした。

*3:政府の景気安定化政策の手段としての財政政策の無力と金融政策の有効性、投機の有益性、といったところでしょう。