P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

論文読み:暗号通貨は効率的なのか?

論文をちゃんと読んで少しは研究をしてみようと思い立ったので*1、Economics Letters の短い論文(3ページ)をリハビリで読んでみた。

"The Inefficiency of Bitcoin", Andrew Urquhart, Economics Letters, Nov. 2016, Vol.148, pp.80-82.
www.sciencedirect.com
ビットコインが効率的市場仮説(の弱いバージョン)の意味で効率的かどうかについてテストを行った論文。もう5年以上前の論文なのでテストされている期間は2010年8月から2016年7月までの6年間。この期間についてビットコインの収益率のデータが効率的市場を満たすかどうかについて、収益率が自己相関していないどうかで6つのテストを行っている。その結果は、全期間については自己相関あり、つまりビットコインは非効率的(あくまで効率的市場仮説の意味で)という事になる。しかしこの6年の期間を前半後半3年ずつの2期間に分けると、前半はやはり同じ結果になるものの、後半については一部のテストで自己相関なしを棄却できない、つまり効率的であることを示唆する結果が出たということで、著者はビットコインはだんだんと効率的になってきているのではないかと述べている。この結果は5年以上前のものなので、果たして今はどうなっているのか?
 
ところでこの論文、Web of ScienceでCryptocurrency で検索、経済学でフィルターかけて被引用数で並べたらトップだったので読んでみたのですが、その検索結果を見るとあんまりメジャーどころのジャーナルが出てこないんですよね。そしてトップがこの論文。まあきちんと調べてないからだけかも知れないけど、なんとなく興味深い。

*1:まあどうせ、ごっこレベルだろうけど。