P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

2010-01-01から1年間の記事一覧

ベスター:回想 5

長らくお待たせしましたが、って待っている人がいるのかどうか判りませんが、ベスターのエッセイ、My Affair with Science Fiction (redemolished掲載)の翻訳の5回目にして最終回です。一回目が8月3日にアップですから、これ一つ訳すのに4ヶ月かかってますね…

QE2について  グレッグ・マンキュー

このあいだ、連銀の量的緩和に反対する経済学者を含む保守派の人達による連銀への公開書簡(邦訳)が出されましたが、それに保守派の経済学者であるマンキューは署名をしませんでした。またそれ以外でもマンキューは特にQE2に触れていないので、たとえばクル…

財政赤字削減の時にあらず  クリスティーナ・ローマー

こないだ大統領経済諮問委員会(CEA)の委員長を辞めたクリスティーナ・ローマーがニューヨークタイムズに緊縮財政反対のコラムを書いてましたので、訳しておきました。誤字・脱字・誤訳等々がありましたら、コメント欄にお願いします。 追記:「コメント欄に…

マクロ経済学の狂気 ポール・クルーグマン

ひさ〜しぶりになってしまいましたが、クルーグマンの翻訳です(実際は最近もいくつか翻訳してるんですが、道草にだけ載せてましたので。)内容は、そのタイトルがはっきりと示しているように、ここ数年続いているクルーグマンのマクロ経済学批判です。最初…

ベスター:回想 4

ちょっと間が空いてしまいましたが、ベスターの回想の4回目です。ついに話は「分解された男」と「虎よ、虎よ」に入ってきました。 今回の終わりの部分はかなり尻切れトンボです。正直、どうせ間も空いた事だし、もう少し時間もかかってもさらにキリの良いと…

ベスター:回想 3

ベスターのMy Affair with Science Fiction の翻訳、3回目です。今回あたりからどんどん話がSF関係になっていきます。まずは、ジョン・キャンベル!アシモフだと、なかなか話してくれないたぐいの側面です。追記:kuroseventeenさんのtwitterでのコメントを…

元奴隷から奴隷所有者への手紙

(最初の文章は色々と情報が欠落していたので、一部修正と追加をしました)BoingBoingで1865年8月22日付けのニューヨークデイリートリビューンに掲載された元奴隷ジョーダン・アンダーソンからかつての奴隷所有者P・H・アンダーソンへの手紙の文章がアップされ…

ベスター:回想 2

アルフレッド・ベスターの自伝的エッセイ"My Affair with Science Fiction"の翻訳の2回目です。今回は(ちょっと他のSF作家達にも触れますが)、ベスターのコミックブックの原作者時代の話がメインです。

ベスター:回想 1

アルフレッド・ベスターの短篇・エッセイ集"redemolished"というのがあるんですが、これにベスターが1975年に書いた自分のSF史の回想"My Affair with Science Fiction"が載っています。結構長文ですが、興味深いので訳してみる事にしました。ただし31ページ…

BoingBoing掲載のテッド・チャン・インタビューの、「族長の初夏」さんが翻訳された後の部分の翻訳です。主に彼の作品におけるAIについての話ですが、最後はAIではない異知性間についての話しになります(ってのは誤解させる書き方ですが、こう言ったほうが…

テッド・チャン・インタビュー 前編

ブログ「族長の初夏」さんがBoingBoingに載ったテッド・チャンのインタビューの一部を訳されてました。お、これはよい!と思い、残りの部分を訳することにしたんですが、そうするとまぁ...インタビュアーの方は全然知らないのですが、ニューエイジ(?)…

金融危機を予言する:ラジャン・インタビュー

2005年にアメリカの金融システムの金融危機の可能性が高まっていると指摘して批判を浴び、その後実際に金融危機が起こってから賞賛を浴びることになったラグハラム・ラジャンのフリークノミクス・ブログでのインタビューの翻訳を経済学関係翻訳サイトの「道…

グーグルはニュースを救えるか? by ジェームズ・ファロウ

アトランティック誌6月号にジェームズ・ファロウ氏による、グーグルがニュース業界を救おうとしている、という記事が載っていました。結構面白いかと思い、訳してみましたのでご覧ください。でも、はてブでよく書かれるのであらかじめ言っておきますが、長い…

主流派マクロ経済学の信仰喪失

Worthwhile Canadian InitiativeのNick Roweがマクロ経済学の現状について述べていました。とくに驚くようなものはありませんが、あまり長くないので訳してみます。それから、現在のブログデザインだとリンクの有り無しが見分けにくいので、はっきりlinkと書…

一人の食事について

MarkBitten.comという料理のブログに掲載されていたエントリーの翻訳です。写真と、そして最初の段落で訳す事にしました。俺は死ぬまで、この段落みたいな文章は書けないだろうなぁ。ヴァージニ・ウルフ、読んだことないし、とか思うと悲しいです。スザンヌ…

ケネス・ロゴフ:世界は一つの税に、一つの税は世界の為に? 

毎月1日は、映画の日で料金は1000円となります。なので3本の映画を観てきましたが*1、さすがにそういう事をすると結構、映画と映画の間で時間が空いてしまうので、翻訳で時間つぶしをしました*2。IMFが最近、金融機関への課税を提案したそうですが、訳し…

教育におけるインセンティブ、あるいは勉強ワイロ

アメリカのタイム誌に掲載された教育についての実験のレポートです。実験内容は、子供に勉強したら金やんぞ!と言ってみて、それでどれだけ学習するか見てみよう!というものです。さてここまで読んだだけで反射的に反感を持った人もいると思いますが、まあ…

認識論的閉じこもり・イン・マクロ経済学

クルーグマンの翻訳も久しぶりですが...って、違いますね。一つ前の翻訳もクルーグマンでした。ですがクルーグマンのブログ翻訳は久しぶりです。今回はクルーグマンがしばらく前まで何度も批判を書いていたマクロ経済学の現状、より正確には中西部の淡水…

クルーグマン:「エコな経済をつくる:環境経済学サーベイ」(9)

一ヶ月ぶりとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?さて、久しぶりに翻訳をしました。ニューヨーク・タイムズ・マガジンというニューヨーク・タイムズの日曜版についてくる小冊子に掲載されたクルーグマンの気候変動対策関連の経済学サーベイの翻訳…

お勧めは年上女性!

ちょっといまさらのネタではありますが、今年のバレンタインディも涙にくれたOkemosです。 さて、当ブログP.E.S.はその紹介にもありますように、政治、経済、SFネタの翻訳をやっておりますが、裏のテーマは婚活です...いや、90%くらい誇張が入ってますが…

世界の経済学研究大学ランキング

オランダのTilburge Universityが、2004年から2008年までの経済学研究への貢献に基づいた世界の経済学研究大学ランキング・トップ100を発表していました。やっぱり圧倒的にアメリカの大学が多いです。リンク先にはそれぞれの大学ごとにどのジャーナルにどれ…

なにが良い教師をつくるのか?

一応、教師をやってまして、日々、うーん、こんなんでいいんだろうか?と思いながら、講義をしてます。それなりに生徒の受けはいいんですが、でもどれだけ彼らが学んでくれているのだろうと考えると疑問が。というわけでThe Atlantic誌のこの教育についての…

ジャスティン・ウォルファーズ:GDPを庇護する

この間のキャロル・グラハムの幸福の経済学のコラムがサルコジ委員会について触れていましたが、今度はニューヨークタイムズのFreaknomicsブログでジャスティン・ウォルファーズがGDPは幸福の指標としてそんなに悪くないよ、というコラムを書いてました。バ…

クルーグマン:AEAでのレクチャー 「危機」

クルーグマンがアメリカ経済学会での年次例会でレクチャーを行ったそうです。一応、ノーベル賞レクチャーということで、ノーベル賞を受けた研究についてのものなんですが、ご本人がそちらのメインである貿易についての研究にはいまあまり興味がないようで、…

キャロル・グラハム:幸福の経済学

明けましておめでとうございます。もしよければ、今年もよろしくお願いします。さて、新年一つ目の翻訳ですが、実は昨年12月にマイケル・ムーアの「キャピタリズム」を観にいきました。まあ映画のテーマが暗いせいというのは置いておいても今一でしたが、そ…