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P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

ジャスティン・ウォルファーズ:GDPを庇護する

この間のキャロル・グラハムの幸福の経済学のコラムがサルコジ委員会について触れていましたが、今度はニューヨークタイムズのFreaknomicsブログでジャスティン・ウォルファーズがGDPは幸福の指標としてそんなに悪くないよ、というコラムを書いてました。バランス取るのに丁度良いかな、と思いますので訳しておきます。ところで今回、一人称は「僕」を使っていて、またそれにあわせて文章もちょっと砕けた感じにしていますが、べ、別に山形さんの昔のクルーグマンの翻訳のマネをしようとしたんじゃないからね!!(ちょっと古)。日本語は英語より一人称の数が多いですが、まあ今回、著者の写真をみたら「僕」かなぁ、と思ったのでそうなっちゃっただけです。


GDPを庇護する ジャスティン・ウォルファーズ(Justin Wolfers) 2010年1月4日
僕の最近のMarketPlace*1でのコメントは、この間出た、サルコジ委員会報告についてのものだった。
その報告はGDPの多くのよく言われる欠陥について取り上げていた。そして、僕は彼らの批判に同意している。その大半は、40年前の有名なボブ・ケネディのスピーチの中で要約されているんだ。
ところで、GDPについては面白い事がある:その全部の欠陥にもかかわらず、実際には、それは国の健康状態についての驚くほど役に立つ指標であるんだ。反対する前に、まあ説明させてほしい。これは実証的な観察の結果であって、GDPの理論的な庇護、なんかじゃあない。
まず、証拠物件1。これは僕が以前にここでみせた事があるチャートだ。これは各国のGDP(対数表示で)と、人々に幸福の度合いを0から10のスケールで評価してもらって測った主観的満足度の平均値を表したものだ。GDPの客観値と、主観的に計られた人々がその人生をどう感じているかの間の相関は0.8よりも大きい。これは驚くほどに高い相関だ。(関連する論文としては、これ。)
実のところ、この相関はあまりに高いので、Betsey Stevensonや僕自身のような、代替となる指標を作り出そうとしている連中にとってのちょっと興味深い緊張の元となっている。主観的な指標が客観的な指標と創刊しているという事実は、その信頼性を増すものではある。しかし、相関がこんなにも高いなら、国内総生産を国民総幸福といった新しい指標でもって補わなければならないのかどうか、はっきりしなくなってくるんだ。
GDPととても関連しているのは、人生への満足度だけじゃない。その他一連の主観的指標の頻度(frequency)について分析して、そしてそのいずれケースでも、一人当たり対数化GDPとそれぞれを感じている人口の比率の間には強い相関があったんだ。

下の項目を感じている人の比率と一人当たり対数GDPの相関係数(ざんねんながら、数字を綺麗に並ばせられません。)
食事がうまい............................0.60
楽しい..................................0.47
敬意を持って扱われている................0.44
達成した喜び............................0.28
よく微笑む/笑う.........................0.27
誰かにほめられて誇りを持った............0.27
時間をどう使うかを選択できる............0.20
世界の頂点にいるような/人生は素晴らしい.0.18
愛......................................0.14
思い通りにいっている....................0.12
心配....................................0.09
興味深いことを学んだ....................0.00
成したことへの誇り......................0.00
何かに興奮/興味を持っている.............-0.10
悲しい..................................-0.10
怒り....................................-0.16
不安....................................-0.18
退屈....................................-0.19
批判されて怒る..........................-0.25
憂鬱....................................-0.30
孤独....................................-0.30
肉体的痛み..............................-0.47

ボビー・ケネディへの別の回答としては、開発のより広い指標を作るというのがある。国連の人間開発指標はそういった指標で、寿命、成人識字率、進学、そして一人当たりGDPのデータを組み合わせたものだ。そしてまた、一人当たりGDPはこの広い指標と高く相関していることがわかったんだ。
僕のMarketplaceでのコメント全文はここにあるし、なんならここで聞く事もできる。(あ、もしクリスマスイブのBetseyのコメントを聞き逃したなら、それはここで聞けるよ。*2 )

*1:ラジオ番組。ちなみに、アメリカ英語のリスニング練習をしたい人には、オンライン放送、ポッドキャスト配信が行われているので、このMarketPlaceを製作している[http://americanpublicmedia.publicradio.org/programs/:title=American Public Media]や、アメリカ公共ラジオの[http://www.npr.org/:title=NPR]がお勧め。

*2:2009年のアメリカでの離婚率が1970年以来 最低になったというもの。