P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

この世のどこかに、あるいはドレイクでも不可能なこと

(ちょっと修正)
今朝、日本の女性ネタを書いたので、バランスを取る為にアメリカの女性ネタを。同じくNPRの、"This American Life"という番組から。この番組はラジオのドキュメンタリー番組で、毎週色々なテーマについて、何人かの人達のそのテーマがらみの人生の側面を、インタビュー、司会によるナレーション、当人の語りなどで明らかにしていってます。結構おもしろいが、いかにもアッパーミドルのインテリ白人ぽい番組ではあります(出てくる人達は必ずしもインテリ・アッパーミドルの白人ではない、ってとこまで含めて)。アメリカ最良のニュースソースOnion*1が以前に、このThis American Lifeがその現代アメリカ・アッパーミドルクラスの生態のサーベイという使命を終えてたので番組が終了するという嘘記事を書いた事があるのですけど、その時の番組の紹介が的をえた冗談になっていたので、紹介。

文化人類学者達がホワイトカラー・プロフェッショナルについての「途轍もない成果である」と語る、大卒、年収6万2500ドルから12万5000ドル、そして地球温暖化に対して何かをしなければならないと強く感じている既知のタイプ7442のすべてについての調査を、人気ラジオ番組が成功裏のうちに終了した。
「やり遂げました」、シニア・プロデューサーのジュリー・スナイダーはそう語った。彼女自身、2003年のThis American Lifeのエピソード、"Going Eclectic"(折衷主義でいく)においてインタビューを受けている。その中で、日本人の養父によって凧作りの手ほどきを受けた、バイリンガルのACLU(アメリカ市民自由連合)のメンバーであるという人生がどういうものなのかについて語っていた。「左派がかっている不可知論者によって経験された、あるいは経験されえる実存主義的危機や、自分自身への「おめでとう」の瞬間で、我々が徹底的に記録し、テーマに応じてグループわけをしなかったものなど一つたりともありません」。
スナイダーは続けてこう述べた。「ここ公共ラジオの我々が、これほどまでに我々自身を誇らしく思えることは二度とないでしょう」

そういった番組です。でも、面白いんですよ。
で、その番組の2月13日放送分、"Somewhere Out There"(世界のどこかに)、では冒頭でハーバードの物理の院生達の話が出てきました。ハーバードといえども物理の院生ですから、彼女はいません(二重に決めうちですね。物理の院生は男で彼女がいない)。なので彼らは、彼女が見つかる可能性を計算してみる事にしたそうです。ドレイク方程式を修正して。
ドレイク方程式というのは、この大宇宙において、地球以外に知的生命体が存在している可能性を算出する方程式です。すばらしいですね。この世の非モテのほとんどは彼女の不在を嘆くだけですが、ハーバードの物理の院生は違います。この世に自分の為の彼女が存在している可能性を算出するんです。いま目の前に彼女がいなくても、この世に自分の為の彼女が存在する可能性が1%でもあるとわかれば、心も生きる希望にみちてほんわかすると言うものです。北斗神拳正統伝承者のケンシロウなら、それを頼りにラオウと戦えますよ。
で、院生達は計算してみたそうです。ボストンの人口(ハーバートはボストン近郊にあり)、女性の比率、年齢コーホート、大学生・大卒者の比率(だってハーバードだもん、彼女もせめて大学生か大卒)、シングルの確率、そして「うちら」を魅力的と考えてくれる女性の比率等々、からなるそうです。番組では、その可能性がどれほどのものだったのか、触れていません。とにかくその可能性を院生達が計算していたそうですが、するとそこへ女性の物理学教授がやってきたそうです。彼女は独身で、そして長身だったそうです。ちなみにアメリカ人は日本人ほど男女間で身長に差がありません。で、彼女もその計算に参加して、彼女に彼氏が見つかる可能性を計算したそうです。ただ彼女は院生達の条件(性別は変えてます)に、二つの条件を付け加えたとか;彼女の彼氏は、彼女より背が高く、そして彼女より頭がいい事...アメリカ人の男性から背が高いといわれるハーバードの物理学教授の女性が、自分より背が高くて頭がいい男を求めていたら...ケンシロウでもあきらめますね。
しかしまあ頭がいいというのは置いとくとしても、ハーバードの教授ですら自分より背の高い男がいいってのは、びっくりしました。

*1:一応このOnionについても説明しときますと、これはオンライン上の冗談ニュースサイトです。日本でいえば、[http://bogusne.ws/:title=ボーガスニュース]みたいな。ただ、オンラインの記事だけでなく、ビデオとかまで作っていてレベルがものすごく高いのですけど。ちなみに最新のビデオのトピックは、古生物学者が最古の変態ロリコン(Sexual Predetor)恐竜の化石を発見というもの。子供の恐竜を襲いもせずに物陰にかくれて、オナニーしている変態恐竜の復元予想図が不気味でおもしろい、です。