P.E.S.

政治、経済、そしてScience Fiction

政治経済学

ゲルマン:カプラン「選挙の経済学」の書評

NYUの政治学者・統計学者のアンドリュー・ゲルマンがカプランの選挙の経済学 投票者はなぜ愚策を選ぶのかの書評をPolitical Psychology用に書いたそうで、それを自分のブログに載せていました。この本は日本のブログ界でもちょと話題になった印象がありまし…

「人的資本政策と所得分配:分析のフレームワークと先行研究の検討」パート4.4

パート4.4の訳が終わりましたが、optical_frogさんがアセモグル翻訳専用のwikiaページを立ち上げられてますので、そちらにアップしました。 今後もそちらにアップしてゆく予定ですので、もし興味のあるかたがいらっしゃいましたらそちらをご覧くださいませ。…

「人的資本政策と所得分配:分析のフレームワークと先行研究の検討」パート4.3

さて毎日翻訳をやってますけど、別に翻訳家ではありません。新年からは新しい仕事を始めますのでその準備も毎日やってるんですが、色々と不安ですね。というか、資料だと言われた本のタイトルを調べてみても、そんな本が存在していないというのはどういうこ…

「人的資本政策と所得分配:分析のフレームワークと先行研究の検討」パート3.7と3.8

先週から東京に引っ越したんですが、東京すごいですね。おれの住んでる区だけで区立の図書館が10館もあります。街を歩けばそこら中に本屋とブックオフ*1があるし、電車ですぐに神保町にいける。おれの地元もそこそこ人口のある地方都市なんですが、全然比べ…

「人的資本政策と所得分配:分析のフレームワークと先行研究の検討」パート3.6

寒いですねぇ。昨日買ったばかりの我が愛車「ラグーン」号あるいは「ホークダウン」号もしくは「オックス」号なんなら「マジックM66」号(つまり、自転車黒いのです)は快調にとばしてくれてますが、そうなると寒風吹くたびに、ああ、おれの手がぁ!!!状態です…

「人的資本政策と所得分配:分析のフレームワークと先行研究の検討」パート3.5

クリスマスもケーキを食べる事もなく無事に過ぎ、今はただみかんがおいしい年の瀬、2008年最後の一週間未満となってしまいましたが、皆様、どうお過ごしでしょうか?俺は今日、自転車を買ってきました。安物ですが、徒歩よりずっと早いのでとっても気分爽快…

「人的資本政策と所得分配:分析のフレームワークと先行研究の検討」パート3.3

アセモグルの「人的資本政策と所得分配:分析のフレームワークと先行研究の検討」のパート3.3です。下のエントリーにパート3を追加していくつもりでしたが、計画変更して新エントリーとしていくことにしました。今後も新エントリーとして上げていきます。

「人的資本政策と所得分配:分析のフレームワークと先行研究の検討」3.1と3.2

「人的資本政策と所得分配:分析のフレームワークと先行研究の検討」の3.1と3.2の訳です。この辺りから数式がいろいろと出てきますが、はてなダイアリーは数式の表記に対応していないと思いますので、文中の添え字などに関してはA{i,h}などと表記しています…

「人的資本政策と所得分配:分析のフレームワークと先行研究の検討」パート2

このアセモグルの論文のパート2の訳です。 訳についての注意: 早く訳すために、カナを多用しています。例:skill - スキル, premia - プレミアム 人名などの固有名詞については、有名なもの以外はアルファベットそのままとします。

バーテルとケンワーシー:大統領と所得の不平等

青は第二次世界大戦後の民主党大統領、赤は共和党大統領、水平軸は所得分配の20%ごとの階層(右へ行くほど高所得です)、垂直軸は年率の所得成長率です。[追記:第二次世界大戦後の各所得階層の所得成長率の平均を大統領の所属政党で分けて出したものです。]こ…

投票のパラドックス、あるいはスイスと生きた豚

Freakonomicsに投票についての質問が来たそうで、それが読者への質問として公開されていました。投票というと、政治経済学にはなぜ人は投票をそもそもするのか?という疑問があります。投票しなかった人がなぜしなかったのかと問われてよく答える様に、一人…

すごいぞ、僕らのアセモグルー!

マンキューが持ち出した経済学者ランキングによると、2008年10月現在で1位はスティグリッツ、11位がラリー・サマーズ、15位がクルーグマン、21位がマンキューとなってましたが、彼らに挟まれて12位になっていたのが、なんとダーロン・アセモグルーでした。アセ…

選挙の情報集約、あるいはオバマがマケインより良い候補であった事の証明

ノースウェスタン大学のフェダーセン(Feddersen)教授は選挙、とくに選挙が持つ有権者の情報の集約機能に関する論文で有名な方です。その教授がアメリカ時間で11月4日、つまり選挙の当日、まだ結果がわかる前にForbesに選挙結果に関してアメリカ人は安心して…

ヒッブス教授と、愉快な選挙モデル推測値達

redbluerichpoor.comから。 もう今年のアメリカ大統領選の結果はほぼ出たも同然ですが*1、アメリカ今年度第三4半期のGDP成長率速報値(前期比年率マイナス0.3%)が公表されたのを受けて、Hibbs教授が「パンと平和」モデルによる最新の大統領選予測を出しました…

「・・・ごめんなさい。こういう時、どういう顔をすればいいのか、分からないの」 「アホの坂田の顔すればいいと思うよ」

"Electoral competition with privately-informed candidates" Dan Bernhardt, John Duggan, Francesco Squintani, Games and Economic Behavior, vol.58 (2007), pp.1-28きっと俺の頭が悪いからなんだろうけど、こういう非常に数学的にテクニカルな論文って…

いや、だから政治家は公約を守るんですってば!At least, theoretically...

"The role of party reputation in the formation of policy", Joseph E. Harrington, Jr., Journal of Public Economics, vol.49 (1992), pp.107-121政治経済学の研究者にはAlesinaとかPerssonとか、あと言うまでもなくGrossmann・Helpmanとか(あとRoemer…

2008年のアメリカ大統領選はブッシュのおかげもあって、というかブッシュのおかげで民主党有利と見られているわけなのだけど、共和党に有利、というかひどく不利ではない要素ならいくつかある。外交面でもイラクの治安はアメリカ軍の増派もあって少しはまし…